判断は“頭”でするものではなく“感情”でするもの。元フットサル日本代表監督の言葉から紡ぐ「すべてを出し切る指導」の真意
2017年11月15日
コラムフットサルを活用すればモチベーションも上がる
今回、過去の取材をすべて振り返り、ミゲル・ロドリゴは子どもたちを変えようとしながら日本の指導者たちを変えようとしていることを感じた。そう捉えると、子どもが感情を表に出す前に、指導者が感情を表に出せるようにならなければならない。そのためには指導者も成功を重ねなければならないし、失敗もしなくてはならない。彼は「子どもにはすべてを出し切らせることが大事だ」というが、大人も同じだ。
「うまくなるにはすべてを出しきらなければなりません。それには挑戦が深く関わっています。挑戦とは、100%以上のものを出してこそ達成できるものでなければなりません。自分が持っている101%の力を出したときに手がかかるもの。今の力をほんの少し超えることが極めて重要になります。あまりにも大きな目標を掲げてしまうと、心の中で『本当にできるのかよ』と感じてしまいます。だから、指導者が掲げた目標に対し、子どもたちが『そうだ、できるんだ』と思える、そのさじ加減が指導者の腕の見せどころです。もちろん、これは難しいことですが、常に実現できる目標を立てて上げるのは大きな仕事なのです」
目標は個々によって異なるし、乗り越える壁も違う。ただそれぞれに百数%だけ高い目標を掲げられるかどうかでチーム力は大きく変わる。だから個々に目を配り、すべてを出し切らせる努力をしなければならない。すると、個々の達成がチームの達成へと変貌する。そのためにはプレーに関わること、ボールに関わることが必要だ。だから、ミゲルはサッカーに比べると1分間にボールタッチ数が6倍多いフットサルを取り入れることをうったえたのだ。
「フットサルをするメリットに、モチベーションを高める点があります。その理由はサッカーに比べてボールタッチ数が多いからです。ボールに触れる回数が増えるほどモチベーションが上がるという研究結果があり、サッカーが上達する上での子どもたちの心理に大きく左右するものです。スペースが狭いから局面の反復回数が多く、戦術的なアクションが増えるから経験値が高まります。これは現代サッカーと深く関わっています。攻撃から守備、守備から攻撃への移行速度がどんどん早くなっているからフットサルというスポーツの特性とリンクします。自陣でも敵陣でも常に攻守両面を意識してプレーしなければならないことはフットサルのDNAともいえますから」
ジュニア年代に限ったことをいえば、フットサルはサッカーの練習に大いに活用できる。局面という側面ではプレーしながら学べることは多いし、ボールタッチが増えれば子どもたちはよりサッカーが楽しめるはずだから。今企画で取り上げたミゲルの言葉は一部であり、序章にすぎない。
そこで、次回より「ミゲル・ロドリゴが教えてくれた『才能を引き出す』11の魔法」と題し、彼が残してくれた言葉を11のテーマに則ってWEB連載として発信していきたい。ぜひご一読いただきたいと思う。
【連載】ミゲル・ロドリゴが教えてくれた「才能を引き出す」11の魔法
<プロフィール>
ミゲル・ロドリゴ
1970年生まれ。スペイン・ヴァレンシア出身。イタリアのルパレンセ・パドヴァやロシアのディナモ・モスクワ、スペインのカハ・セゴビアなどで指揮を執った経歴を持つ。2009年6月〜2016年2月までフットサル日本代表監督を務め、その後、フットサルタイ代表監督に就任し、現在はフットサルベトナム代表監督として手腕を振るう。FIFAインストラクター、スペインサッカー協会フットサル指導者資格を保持。
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