マニュアルありきではない。育成大国ドイツの「成長段階に応じた」環境作り
2017年12月01日
コラム言わずと知れたサッカー強豪国ドイツ。サッカー強豪国であると同時に優秀な選手を輩出し続ける「育成大国」でもあります。そんなドイツの指導者たちは子どもの成長をどのように考え、どのようにサポートしているのでしょうか。ドイツでサッカー指導者として活動する中野吉之伴さんの著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』から一部抜粋して紹介します。
(文●中野吉之伴 写真●Getty Images)
『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』から一部転載

ドイツでは成長段階に応じた環境を与えている
ドイツでは年代に応じた最適な育成環境をつくるため、ピッチサイズや参加人数などについては、一定のマニュアルを設けて推奨しています。ただし、これはあくまでも基準であり、義務ではありません。
そのため、それぞれのクラブが置かれた状況に応じて、柔軟にアレンジして取り組んでいます。現在、長男がプレーしているU9チームは、本来なら5人制の総当たり戦(順位をつけないワンデイ大会)が正規の大会です。
ただし、小さい頃からサッカーをしている子どもが多く、みんなそれなりに技術が備わってきていることから、5人制では物足りなくなっていました。そこで、監督はシーズン後期からU11のCチームとして、7人制の年間リーグに登録しようと考えました。これは地方サッカー協会から提案されたことで、ほかにもいくつかのチームが7人制の年間リーグに登録変更をしています。
はたして、このことはどのような効果を及ぼすでしょうか。 7人制サッカーとなると5人制に比べてプレー人数が増え、ピッチも広くなり、ポジションごとの役割や、プレーの選択肢と判断基準を知ることがより求められてきます。最初の数試合はピッチの広さや味方との距離感、やっていいプレーとダメなプレーの判断に戸惑っていました。
とくに首位チームには、大差で負けてしまいました。いつもなら1人でドリブルして相手をごぼう抜きし、ゴールを決められる選手が簡単にボールを取られます。
いつもならスピードと身体の強さを生かしてボールをどんどんカットしていた選手が、相手のパス回しに振りまわされます。ほとんどの子が、まったく思いどおりにプレーできていませんでした。
しかし、だからこそいい経験となったのでしょう。練習や試合を重ねるごとにプレーのイメージが明確になり、リーグ終盤は状況に応じて素早いパス回しができるようになり、相手守備の裏を突くコンビネーションが見られるようになりました。攻守の切り替えも早くなり、守備に対する意識も変わりました。最終的には、リーグ2位でフィニッシュ。
結果以上に、とても大切な経験を得ることができたといえます。彼らはすでに対応できるステップにいたので、7人制サッカーへの移行がプラスに働きました。ですから、もし子どもたちのレベルがそこまで達していない場合は、引き続き5人制サッカーの大会で経験を積んでいく可能性もありました。つまり、マニュアルありきではなく、その子たちの成長段階に応じた環境を提供したことが功を奏したのです。
【書名】ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする 自主性・向上心・思いやりを育み、子どもが伸びるメソッド
【発行】ナツメ社
【著者】中野吉之伴
【発売日】2017/11/13
⇒2014W杯、2017コンフェデ杯優勝。その強さの背景には、子どもがグングン伸びていく、ジュニアサッカーのしくみがありました。ドイツの大人は子どもの成長をどのように考え、どのようにサポートしているのか。現地在住のサッカー指導者であり、子育てにも奮闘する著者が、現地でしか知りえないジュニア指導の新常識を紹介します。
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