熱中症対策に! 脱水症の応急処置にも使える「経口補水液」とは
2018年07月18日
コラム気温が35度前後まであがる日が連日つづくようになり、外にいればじっとしているだけでも大汗をかくようになりました。熱中症対策の水分補給について紹介しましたが、水分補給の際には水分だけでなく汗で失われる塩分の補給も大切です。そこで今回は脱水症の応急処置にも使える「経口補水液」について紹介していきます。管理栄養士の盛岡良行さんに説明していただきました。
文●盛岡良行 写真●ジュニサカ編集部、Getty Images
※この記事は、2017年7月25日に掲載されたものを再編集したものです。
脱水症の改善が第一の目的
経口補水液とは、体から失われた体液を補うために水、ミネラル、糖分を一定の割合で配合させた飲料のことです。
もともと脱水症とは、「身体から水分が失われるだけではなく、ミネラルも同時に失われた状態」を指しています。体内の水分が不足すると、脳にある口渇中枢が刺激され、喉の渇きを感じます。この際に真水やお茶だけを飲んでも喉の渇きは満たされますが、実は「細胞の中」では脱水状態が続いています。すると細胞の外の水分ばかりが増えて体液が薄まることになり、体にさまざまな弊害を生じ、命の危険にいたることもあります。
細胞の中にまで水分を行きわたらせるためには、ナトリウムをはじめとしたミネラルを同時にとることが大切。また、水分の吸収を高めるためには一定量の糖分(ブドウ糖)も必要になります。経口補水液にはこのミネラルと糖分が、脱水症を改善するために最適な濃度で含まれており、「飲む点滴」ともいわれています。
スポーツドリンクとはどう違う?
ミネラルと糖分が含まれているという点ではスポーツドリンクと共通していますが、配合の割合は大きく異なります。
例えば経口補水液の『OS-1』にはナトリウムは115mg/100mLと、スポーツドリンクに比べて3倍弱の量が含まれています。一方でブドウ糖については1.8g/100mLと、スポーツドリンクの半分以下の量になっています。つまり経口補水液は塩分が濃いめで、糖分が薄めに設計されているのです。脱水症の改善を第一の目的としていますので、スポーツドリンクと比べると味の美味しさはどうしても劣ります。
<スポーツドリンクと経口補水液の比較>
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