熱中症対策に! 脱水症の応急処置にも使える「経口補水液」とは

2018年07月18日

コラム
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経口補水液を利用するタイミング・用途

 経口補水液は糖分が少なめである分、エネルギー補給には不向きですが、以下のようなタイミングや用途ではスポーツドリンクよりも有効です。

①真夏の熱中症予防

発汗によって失うミネラルの量は、実はスポーツドリンクに含まれている量よりも多いです。あまり暑くない時期にはスポーツドリンクで補給し、後は食事で補えばよいのですが、現在のような炎天下の状況で長時間スポーツを行う場合には、スポーツドリンクでもミネラル補給が間に合わず熱中症になってしまう危険性があります。

味が美味しくないためどうしても敬遠されてしまいますが、気温の高い7~9月は経口補水液の方がおすすめです。なお、経口補水液にはゼリータイプのものもあります。ゼリータイプは液体タイプと同じ成分が含まれていても、塩味がマイルドに感じられて飲みやすいため、一度検討してみるとよいでしょう。


②熱中症になったときの応急処置

大量の発汗による脱水症やおう吐がみられる場合には、ミネラルも多く失われている状態ですので経口補水液の方が適しています。熱中症は夏以外の季節でも発症する可能性がありますので、暑くないときでも保護者や指導者の方は万が一を考えて1~2本備えておくのがよいでしょう。


③けいれん対策

水分の不足に加えてカリウム・マグネシウムなどのミネラルが不足すると、脚がつる(けいれんする)原因になると考えられています(※けいれんは疲労や急な筋力の発揮など、様々な要因が関係しています)。試合中や練習中に脚がつりやすい場合には、これらミネラルも豊富に含まれている経口補水液を飲むことをおすすめします。

<スポーツドリンクと経口補水液の使い分け>

スポーツドリンクと経口補水液の使い分け

経口補水液は手作りすべきでない理由

 経口補水液を利用する際の注意点として、手作りはあまりすべきでないということが挙げられます。

 経口補水液の主な成分は水と塩分と糖分であるため、塩と砂糖で経口補水液に近いものを手作りすることは可能です。しかし経口補水液には糖分と塩(ナトリウム)だけではなく、カリウムやマグネシウム、カルシウムといったその他のミネラルもバランスよく配合されています。これらのミネラルも汗をかいた際には失われており、特におう吐をした際にはカリウムが多く失われますのでその補給も大切です。全てのミネラルを手作りでバランスよく配合するのは非常に難しく、また衛生面でも長く保管することはできないため、基本的に経口補水液は市販品を利用することをオススメします。

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<プロフィール>
盛岡良行
盛岡 良行
管理栄養士/健康運動指導士
株式会社アストリション代表。東京農業大学栄養科学科卒。健康食品のメーカーを経て独立し、現在は北信越BCリーグ『福井ミラクルエレファンツ』の栄養サポートや、学校でのスポーツ栄養セミナー、スポーツジム利用者への食事指導などを行っている。公式ホームページはこちら


 

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