GKのコーチングは「味方が理解できなければ意味はない」。コーチング向上の秘訣は“練習での熱量”
2018年08月24日
メンタル/教育GKは試合中、常に声を掛けて味方とコミュニケーションをとり合う必要があります。ただ、GKが話した言葉の意味を味方が理解することができなければ、コミュニケーション自体が成り立たなくなります。コーチングとは「伝言ゲームをすべてつなげること」。この言葉の意味を紐解いていきます。
『ドイツ式GK技術革新 GK大国に学ぶ「技術」と「理論」』より一部転載して紹介します。
文●川原元樹 構成●清水英斗 写真●Getty Images
『ドイツ式GK技術革新 GK大国に学ぶ「技術」と「理論」』より一部転載
GKのコーチングは伝言ゲームをすべてつなげること
コーチングは、まずGKが何を思うのか。それがコミュニケーションの始まりです。その次に、GKが何を言うのか。そして、それを言われた選手が、何を理解するのか。最後に、その選手が何をするのか。伝言ゲームのような話です。その間にノイズが入ったり、時間がなかったり、相手のプレッシャーがあったりと、いろいろな邪魔が入ります。だからコーチングと言っても、まずはGKが思っていることを言えなければ、伝言ゲームの最初で失敗します。そして言ったとしても、相手が理解できなければダメです。
たとえば、「中を切れ」と言ったとしても、相手が考える「中」が、どういう「中」なのか、わからないかもしれない。斜めに入れてくるクサビを切るのか、あるいは横パスを切るのか。「中を切れ」と言っても、中の全部を切るのは不可能ですから、その意図が合わなければ、相手は理解できません。あるいは「ボールに行け」と言ったとしても、ボールに行くアクションが、どういう行き方なのかわからないかもしれない。そうなると、コミュニケーション自体が成り立たなくなります。
コーチングとは、伝言ゲームをすべてつなげること。短い言葉が何を意味するのか。「トレーニングのときに言ったのは、こういうことなんだよ」とお互いに確認しなければいけません。「ボールに行け」というのも、相手選手にボールが入ったときに行ってほしいと確認をしたり、あるいは「ボールに行け」を、「もっと寄せろ」「足を出せ」と言ったり。「足を出せ」と言えば、ボールまで行って足を出さなければいけないですよね。より具体的なアクションになります。細かなところですが、コーチングにおいては重要ですね。わかりやすい例として、パスをもらうときもあります。
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