スケジュール、出場機会、ボールの蹴り合い…。大会を通して見えてきたU-12年代の問題点/ジュニサカ会議1【9月特集】
2018年09月07日
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【5月に開催されたチビリンピックは「3ピリオド制」が採用されている】
ボールを浮かした蹴り合いが試合中に続く問題
中澤「4月に行われたダノンネーションズカップを例に挙げると、試合形式が20分一本でした。あれだと世界大会につながる大会ということもあって、どうしても能力のある8人だけを試合に出場させて勝ちに行ってしまいます。そうすると、全く試合に出場できない選手たちが出てきてしまいます。一方で、5月に開催されたチビリンピックは3ピリオド制でした。1ピリオドは必ず登録している選手を出場させなければならないというルールがあるので、絶対に16人の選手が出ることになります。
やはりジュニア年代では試合経験を増やすことが重要だから、その面ではピリオド制はプラスに働いていると思います。個人的にはジュニアのルールとして練習試合でもピリオド制は取り入れてもいいのかなと感じています。現場取材者としての感覚ですが、僕が思うにJFAのルールにばかり従いすぎているのではないのかなと思うことがあります。
例えば、クラブ単位で独自のルールを取り入れているチームもあります。まだリサーチ段階ですが、神奈川の戸塚区の3年生以下の大会ではリトリートラインというルールを取り入れ、選手育成に取り組んでいることを発見しました。今度取材に行こうかと思っているのですが、それはイングランドのローカルやアイルランドで行われている方法です。そういうルールを地域では考えて行ってもいいのかなと思います。
8月に御殿場で行われたJFAフットボールフューチャープログラム(以下、FFP)のトレセン研修会では、ゲーム形式ではスローインではなく、キックインでスタートする取り組みを行っていると聞きました。小学校中学年ぐらいまでは投げる力もあまりないので、キックインを採用してもいいのではないか、と」
木之下「キックインは浮かせてもいいの?」
中澤「そこまでは聞けませんでしたが、キックインの意図はスローインだとボールがずっと宙に浮いた状態が続くからだ、と言っていました。投げたボールを蹴り返して、またそれを蹴り返す。ずっとボールが浮いた状態で落ち着きませんから」
木之下「そういった試合環境で言うと、フウガドールすみだの須賀雄大監督が口にしていた通り、『足元にボールを置いた状態でプレーがスタートできるか』という問題は大きい。そこへのアプローチはジュニアサッカーにおいて重要なポイントです」
中澤「現場取材で最近思うのは、遠くに飛ばすゴールキックは無駄だなということです。なぜなら、そこからボールの蹴り合いが始まってしまうからです。ゴールキックを遠くに飛ばして、そのボールを中盤が蹴り返す。そこから蹴り合いがしばらく続きます。下手すると、2分ぐらいボールが落ち着かない時間があるのではないでしょうか?アイルランドの育成では『リトリートライン』と言うルールを設けていると、footballistaの記事(アイルランドの育成を変える「リトリート・ライン」)で見ました。ゴール前からのビルドアップ時にボールが足下にある状態をあえて作り出して、子どもたちが落ち着いて丁寧にボールを前進させられるような特別ルールがあるそうです。僕もそういうことは日本でもやった方がいいのではないかと感じています」

【ジュニサカWEB編集部の中澤捺生】
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