育成指導者がサッカーを教えられないようでは問題外。でも、サッカーしか教えられない指導者は失格!
2018年10月07日
未分類ドイツサッカー連盟公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)を持ち、15年以上現地の町クラブで指導を行う「中野 吉之伴」。帰国時には、指導者講習会やサッカークリニック、トークイベントを全国各地で開催し、日本が抱える育成の問題や課題に目を向け続けていている。このコンテンツは、ジャーナリストとしても活動する中野が主宰するWEBマガジン「中野吉之伴 子どもと育つ」が提携を結んだ媒体にのみ提供を行っている。
【後編】指導の質を高めるには常に考えを他人にさらす必要がある。その勇気が育成指導者には問われる
取材・文・写真●中野 吉之伴
指導者とは何か
今のコーチングライセンス制度は廃止して新しいルールを作るべき。プロを経験した選手は筆記テストだけで取得できるのが理想。
母数を増やして競争させる。クラブ側も目利きが今まで以上に求められる。ただ選択肢は増える。
日本のサッカーはそういうことを議論するフェーズにきてる。
— KeisukeHonda(本田圭佑) (@kskgroup2017) 2018年9月18日
指導者をテーマにじっくりと考えてみたい。
そう思ったキッカケは、本田圭佑選手のつぶやきだった。指導者って何だろう。指導者になるってどういうことだろう。指導するって何だろう。指導するのに大切なことってどんなだろう。彼にとっては指導者ライセンスの存在についての問いかけだったのだろうが、何のために必要なのか、なぜ必要なのかと掘り下げていくと、おもしろいテーマだと思った。私は必要派だ。でも、その前に指導者そのものについて考えてみたい。
指導者って何をする人だ?
ここは育成指導者に焦点を絞って議論したい。具体的には、育成指導者とは18〜19歳までの子どもたちの指導をする人のことだ。何についてかは、それぞれのジャンルで変わる。サッカーならサッカー、野球なら野球。だから、サッカーチームでコーチをしている、もしくは監督をしている人は自動的に指導者と認識される。多分、肩書きで見るならそういうことだ。
所属さえわかればいい。「どこどこのチームでコーチをしています」。そう言うだけで、指導者という肩書きを手に入れられる。指導者のポストにつくことは、場所と状況と互いの条件を選ばなければ誰でもできる。大げさな話ではなく、本当にそうだ。人手が足らない、資金がない、そもそも他に選択肢がない町クラブならば、やってくれるだけでありがたい。そして、ポストにつく。指導者という肩書きが手に入ったわけだ。おめでとう。たった、それだけの話だ。
では、その後はどうだろうか?
そこから先へは、なかなか踏み込んで行き難い。特に日本では、時間的な問題でどうしたって踏み込めない指導者がたくさんいる。ボランティアコーチには、そうした事情もある。でも、そもそも踏み込んだ先にどんな世界があるかを知らない指導者の方が多いのではないだろうか。学びたい指導者はたくさんいても、学び方がわからない。だから、できないというパターンも少なくない。
あと、本人に自覚がないということもある。
周囲の人たちが「指導者しているの? すごいね」とそれだけで持ち上げられることもある。その次の会話といえば「どの学年?」「どのくらい強いの?」といった具合。チームが勝ったり、何かの大会で優勝したりしようものなら、一気に名将の地位まで射止めてしまうことさえある。そこから保護者におだてられて勘違いを起こし、「自分がすべて正しい」と思い込む浅はかな指導者だって結構いる。となると、みんながそこを目指したくなる気持ちにもなる。だから、勝ちにこだわってしまうし、勝つためにいい選手を囲いたがるし、負けると選手のせいにしたがってしまう。みんながそうだとは言わないし、そういうわけはない。でも、そういう指導者がいるのも確かだ。
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