個性的。“全国経験のない”興國高校サッカー部出身のプロ選手に「共通」するもの

2019年01月11日

コラム

数多くのプロサッカー選手を輩出している興國高校サッカー部。全国大会の出場経験がないが、大学を経由した選手を含めて14人の選手をプロに送り込んでいる。今年は、昨年に引き続き3人の選手がプロの門を叩くが、彼らに「共通」しているものはあるのだろうか?12月中旬に行われた、興國高校Jリーグ内定者合同記者会見の取材から探っていく。

取材・文・写真●吉村憲文


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5人の選手がJリーグの舞台へ

 登壇した全員が少々緊張気味だった。妙にスポットライトが眩しい。

 12月18日、大阪市天王寺区にある私立興國高校では、来季からJリーグの舞台に立つ選手たちが、多くの仲間に見守られながら記者会見に臨んだ。

 興國高校といえば、この記者会見が年末の恒例行事となった感もある。昨年もサッカー部出身者3人、セレッソ大阪U-18でプレーする在校生ふたりの合計5人がこの会見に出席し、その模様をリポートした。今年も昨年と同様サッカー部3人、そしてセレッソ大阪U-18所属の在校生2人の合計5人が来春からプロの門をくぐることになった(セレッソ大阪U-18所属の瀬古歩夢はU-19日本代表遠征で不在)。

 元々こうした会見は卒業生である杉本健勇(当時セレッソ大阪U-18、現浦和レッズ)のプロ入りに合わせて開かれたのが最初だというが、過去の卒業生には現在日本代表の主力としてブレーク中の南野拓実(当時セレッソ大阪U-18、現ザルツブルク)もいる。

 今年はサッカー部からDF起海斗(レノファ山口)、FW村田透馬(FC岐阜)、FW中川裕仁(愛媛FC)、セレッソ大阪U-18からツエーゲン金沢に入団するDF石尾崚雅、そしてセレッソ大阪U-18からトップ昇格するDF瀬古歩夢の5人。彼らが全員同級生で机を並べて勉強していたと思うと、それはそれで凄い光景ともいえる。余談ではあるが、会場には彼らと同学年でボクシング高校6冠に輝いた宇佐美正パトリック選手の姿もあった。東京五輪のメダル候補とまでいわれる彼だが、ともに五輪の舞台に立つ選手がこの5人の中から出てくるかもしれない。

 ただ一方で興國高校サッカー部は今年大阪府1部リーグから来年のプリンス関西昇格こそ勝ち取ったものの、未だにインターハイ、高校選手権ともに全国大会出場経験がない。全国的にはまだ見ぬ強豪ということになるのだろう。ある意味このアンバランスこそが、『育成の興國』たる所以かもしれない。サッカー部からは大学経由を含めると彼らを含めて14人のプロが誕生している。

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