運動能力は情報を収集して分析する能力で決まる。いわきFC、育成の中心人物が語る「スポーツ万能」の育て方
2019年01月14日
コラム
【いわきスポーツクラブ(いわきFC)でアドバイザーを務める小俣よしのぶ氏。】
『スポーツ万能の子ども』が少ない理由
――スポーツ万能の子どもを育てる、という考え方にはどのような経緯で行き着いたのでしょうか。
「私はフィジカルトレーニングコーチを30年ほどやっていまして。トップレベルの選手たちとトレーニングしていると、何でこんなこともできないのか、と驚かされることが多いんですよ。ほとんどのトレーナーの方が陥るジレンマだと思うんですけど、大人になって新しいスキルを習得しようとしてもなかなかできないとか、不器用だとか、あることはできるのに他のことはできないという選手が本当に大勢いる。
考えてみると、子どものときの運動体験が少ないとか、ひとつの競技しかやっていない選手が大勢いて、しかも大人になってからはもう変えることができない、ということが分かってきた。子どもの頃に何とかしておかなければいけないよね、と。子どもの頃にいろいろな体験をしておくと、その度に神経のネットワークが作られていくんです」
――神経ネットワークとは。
「神経ネットワークとは体を動かすことによって体の中に作られ、張られていくものです。神経ネットワークをそのまま持って大人になれば、さまざまな種類のネットワークをいろいろと使い回しながら、いろいろな運動ができるんですけど。
結局、いまはその体験が少なくなっている、というところですね。人間はまったく必要のないものを捨てて退化していく生き物なので、今の子どもたちは運動をせずにいつもスマートフォンばかりいじっていますけど、必要ないと判断されればどんどん捨てられていくので」
――走るのを嫌がる子どもが急増しているのもスマートフォンの影響があるのでしょうか。
「因果関係とは言えませんが要因の一つかもしれません。走ることがすべての運動の基本なので。今の子どもたちは走る機会が少ないので、運動体験そのものが少なくなってきている。
例えば鬼ごっこをやると、走れないので鬼になるとずっと鬼であるとか、すぐに鬼に捕まったりして、結局走れない子どもは鬼ごっこに入っても逃げずにずっと立っているんですよ。鬼も面白くないから、そういう子を絶対に捕まえない。走れないことでそのグループに入れなくなる。つまり、社会性もなくなってしまう。
これが走れるようになってくるとすべてが面白くなってきて、仲間に入っていって、社会性も生まれてくる。走れるようになれば、次はジャンプ力も高まってくる。走って跳べるようになれば、今度はいろいろな運動ができるようになってくる、という好循環が生まれてきます」
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