運動能力は情報を収集して分析する能力で決まる。いわきFC、育成の中心人物が語る「スポーツ万能」の育て方

2019年01月14日

コラム

2017シーズン天皇杯全日本サッカー選手権でJ1の北海道コンサドーレ札幌を撃破するなど、衝撃的なジャイアントキリング旋風とともに脚光を浴びたいわきFC。天皇杯での躍進をキッカケにJ1のクラブにも勝るとも劣らない施設や、クラブのヴィジョンに掲げる「日本のフィジカルスタンダードを変える」というセンセーショナルな言葉が様々なメディアに取り上げられ話題となった。一方で彼らは「育成」にも力を入れ、着々と地域に根差したクラブになっている。今回はいわきFCでアカデミーアドバイザーとして育成に携わる、小俣よしのぶ氏に話を聞いた。

【連載】いわきFCの果てなき夢

取材・文●藤江直人 写真●ジュニサカ編集部


いわき3

「スポーツ万能」は死語

――いわきFCとの出会いからうかがわせてください。

「3年ほど前の話になりますけど、いわきFCの親会社の株式会社ドームの事業のひとつ、トップアスリート専用のパフォーマンス開発機関『ドームアスリートハウス』のスタッフ研修を私が担当させていただいたんですね。

 そのときに『いわきFCというチームを経営する』という話をうかがい、育成をやっていく上で『日本にこれまでにない育成システムを作りたい』という話になり、いわきFCの大倉智代表取締役とお会いしたことから始まりました。

 実際にクラブのアドバイザーとして携わったのは、2017年7月からになります。ちょうど『いわきスポーツアスレチックアカデミー(ISAA)』を始めるちょっと前ですね」

――ISAAを拝見しましたが、走る、投げる、捕る、つかむといったスポーツの基本的なスキルを、遊び心を抱きながら習得するプログラムに特化していました。

「最初に大倉代表取締役とお話したときに、いわきの子どもたちに社会的な問題があると言われました。例えば体力が低下しているとか、あるいは肥満が著しいとか。クラブとしてそれらの問題を解決したいという目標があったので、サッカー選手を育成するのではなく、いろいろな運動体験をさせることで運動が得意になる、あるいは運動が好きになる子どもをここで育てようとなりました。

 そこで掲げたのが『スポーツ万能の子どもを育成する』です。私が子どもの頃は、男の子に特技を聞くとみんなスポーツ万能と言っていた。今の子どもたちに同じことを聞くと、サッカーとか野球とか特定の競技や、さらに特化して「ドリブル」や「リフティング」になる。スポーツ万能というのは死語なので、その死語をもう一度復活させたいと思っています」

――スポーツ万能の子どもを育てるためのノウハウとは。

「若年層のときにできるだけ、いろいろな運動体験をすることですね。スポーツではなく、例えば学校の体育のようなマット運動や鉄棒といった運動をまずはしっかりやる。それを土台にしてサッカーや野球を始めましょうと。

 今の世の中で非常に残念なのは、最初からサッカーや野球を始めている点なんです。これを言うとサッカー界の方にいつも怒られますけど、今のサッカーの育成システムは、3種や4種でしか通用しない選手ばかりを作っている。トップ選手のフィジカルスタンダードを上げる、日本代表が世界のトップ10に入りたいと願うのであれば、根底の部分を変えていかなければいけない。

 Jリーグが始まって25年になりますけど、その結果が今現在じゃないですか。ということは、25年前の考え方に恐らく問題があったと考えられます。サッカーの普及もひと通り済んだと思うので、今後はサッカー以外のすべての子どもたちの運動能力や体力の向上を、日本サッカー協会の主導でやっていけばいいと思っているんですけど」

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