運動能力は情報を収集して分析する能力で決まる。いわきFC、育成の中心人物が語る「スポーツ万能」の育て方

2019年01月14日

コラム

いわき2

運動能力を高めるために必要な「刺激」

――実際にISAAを初めて、いわきの子どもたちは変わったのでしょうか。

「ものすごく変わりました。例えば最初の頃は走るのもみんな嫌がりましたが、今はもう普通に走っていますし、体操競技の床運動などで用いられるロンダート(側方倒立回転跳び4分の1ひねり後向き)ができるようになった子どももいます。側転をやらせてみたらできる子どもがけっこういたので、じゃあロンダートやろうか、と。

 成功すると子どもたちが面白がって、どんどん自分たちで変化させて、片手ロンダートなどもやり出していました。今の小学校のカリキュラムには入っていないので、ウチは小学校のずっと先をいっている感じですね。体力や運動能力の改善は相当できていると思います」

――ISAAのプログラムはどのような指針で組み立てているのでしょうか。

「運動するときは、自分の体がどのような状況にあるかといった、運動するための情報をまずは収集し分析する必要があります。その中で一番必要なのは、一番大事な頭がどこにあるか、という情報です。視覚や内耳にある前庭、あるいは筋肉の中にあるセンサーを総動員して、自分の頭はどこにあるか、重力はどちらから働いているのか、今どのくらいの速さで動いているのか、筋肉がどれだけ力を出しているのか、といった情報をまず仕入れて、その上で運動する。

 今の子どもたちは、その機能が劣っている。いろいろな運動をさせてもなかなかうまくならない理由は、手前の情報収集分析能力がダメだからなんです。残念ながらほとんどの運動教室やスクールさんは、運動させれば何とかなるという感じでプログラムを組んでいるんですけど、ISAAではまず情報収集分析能力に刺激を入れるところから始めます」

――刺激の入れ方とは。

「ぐるぐるバットをやると、大人も含めて、ほとんどがぶっ倒れるじゃないですか。実はぐるぐるしているときに、姿勢に関する情報を収集するためのセンサーが狂わされて、運動ができなくなるんですね。耳の中には耳石器と呼ばれる小さな石状の器官が入っています。耳石は原始的でありながらも高性能で、自分の頭がどこにあるのかを教えてくれる、ジャイロセンサーと加速度計のような機能を持っています。

 ぐるぐるバットをやると耳石がグワッと回り出すので、上下左右が分からなくなりその機能が狂い、視覚情報とのずれも生じて感覚が鈍る。ゆえに目がくらくらして、めまいのような状態になります。ISAAでは子どもにまず何をやらせるかと言うと、実はめまいを起こさせるんです。めまいを介して、情報を収集するための器官を刺激していくんです」

――なるほど。

「子どもはぐるぐる回る遊具が大好きじゃないですか。大人がやると気持ち悪くなりますけど、あれは子どもの情報収集分析能力を高めたいと望む本能だと思うんですよ。あるいは、お父さんに『高い、高い』と持ち上げられたりするのも、頭がフッと落ちる感覚が楽しいんだと思います。高い所から飛び降りるとか、ちょっとした路肩があればその上に乗っかってバランスを取ろうとしますよね。

 それらも情報収集分析器官を刺激する動きであり、恐らく子どもはそれらをやりたがっているし、積極的にやらせないといけない。ただ、今の親御さんたちは『危ないからダメ』と言ってしまうので、そういう器官がどんどん弱くなってしまいます」


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