日本からアスリート性の高い有望なGKが続出しないワケ
2019年05月25日
育成/環境
【浦和レッズでコーチ(分析担当)を務める山田栄一郎氏】
韓国ではアスリート性の高い子どもを意図的に選んでいる
――子ども時代の体格や運動能力の差は、その後に大きく影響してくるのでしょうか?
山田「たとえば韓国では、ジュニアのチームでも、すでに高校生ぐらいのサイズのGKがたくさんいるんです。実際に今、Jリーグに来ている韓国代表クラスのGKもサイズとパワーがあるし、しかも大きい割に機敏に動ける選手が多い。これもアスリート性の高い子どもたちを、早い段階で意図的に選んでいるからなんです」
――まずはノウハウ云々というより、サイズのある子どもたちを揃えていくと。
山田「やはりそうせざるを得ないでしょうね。たしかに日本でもプロ野球の大谷翔平選手のように、外国人に引けを取らない選手がときどき出てきます。そういう選手をGKにしていければ変わってくると思いますが、サイズの違いはシュートストップ、特にグラウンドに倒れ込んでセーブする際の飛距離につながってきますから」
――現在の日本では、若い世代の押し上げが弱いのではないかという懸念の声もあります。それについてはどう思われますか?
山田「育っていないわけではないと思うのですが、少なくとも出場機会を得るところまで至っていないのは事実ですね。GKにとって経験値は非常に重要なのですが、そもそもGKは選手の息が長いので、なかなかポジションが空きにくい。しかもプロのクラブとして活動している以上、実戦で選手を育てていくのも難しい。ましてやGKは必ず試合に勝つために選ぶので、なかなかチャンスが巡ってこないんです。ただし今の若い選手たちは、みんな新しい育成プログラムのもとで育ってきています。指導者もライセンスを取得して、基本的なことをしっかり踏まえた上で日夜努力されていますから、本来であれば有望な若手が出てきてしかるべきなんです」
※全文を読みたい方は発売中の『新GK論』をご覧ください。
<プロフィール>
山田栄一郎(やまだ・えいいちろう)
1971年6月15日、山口県出身。筑波大学を卒業後、藤枝ブルックスを経て1994年に横浜マリノス(現横浜F・マリノス)に加入。引退後は一般企業への就職を経て、シュートJr.ユース(2006~2013年)、専修大学(2011~2013年)でGKの指導にあたり、2014年に水戸ホーリーホックのアカデミーGKコーチに就任。その後、同チームのユースコーチ、筑波大学蹴球部GKコーチなどを経て、2017年8月より浦和レッズのコーチ(分析担当)を務める。
【商品名】新GK論
【発行】株式会社カンゼン
2019年5月16日発売
日本が世界で勝つために必要な、新時代のゴールキーパー(GK)論。楢﨑正剛、川島永嗣、東口順昭、林彰洋、権田修一、シュミット・ダニエルら日本を代表するGKら10人への総力取材で読み解く、日本型守護神の未来とは? 著者は「日本人GKの日本化」をテーマに、GKに必要な能力やメンタリティ、育成現場の現状と課題・未来について、指導者や選手、多くのサッカーファンに伝えるべく、日本を代表する選手、指導者へのインタビュー取材に東奔西走。本書は、GKの見方をアップデートする新しいバイブルとも言える。
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