ジョアン・ミレッがGKになった日とやめた日。「できると思っちゃった瞬間に終わり」【GKを準備する】
2019年07月19日
メンタル/教育連載『ジョアン・ミレッはGKを準備する』。5回目となる今回は、ジョアンの過去にフォーカスした。ジョアンがはじめてGKとしてプレーした日、また若くして選手を引退することになった経緯などを振り返ってもらった。
通訳●倉本和昌 取材・文●高橋大地 写真●Getty Images、ジュニサカ編集部
ジョアン・ミレッ氏 監修『ジョアン・ミレッ 世界レベルのGK講座』2020/1/15発売!
【ジョアンの少年時代(上段4番目)】
じゃあ俺がGKやるよ
――具体的なトレーニングの話に入っていく前に…。ジョアンの経歴に関して聞かせてください。というのも、ジョアンのGK育成メソッドを理解する前に『ジョアン・ミレッ』に関してもっと知りたいからです。まずは、なぜGKになったのか教えていただけますか?
私が子どものころ、道路はアスファルトですらなく土だったんです。そこに「この上着と上着の間がゴールね!」って脱いだ上着を地面に置いてゴールに見立てて遊んでいました。
私自身、サッカーにおいては、他の子どもに比べてそんなに悪い選手ではないと思う反面、同時に特別すごい選手でもないな、という自覚がありました。
ただ私は、とあるグループにおいて「俺がこう決めたらこうなんだ!」と言えば、みんなが従うような、いわゆるガキ大将タイプでした。今の性格と全然違うでしょう?(笑)
――そうですね(笑)
でも、もし自分の仲間がいじめられるようなことがあれば必ず守る。そんな子どもでした。サッカーの話に戻すと、私がいたグループは別の町のグループとライバル関係にあり、あるときサッカーで対戦することになったんです。
試合には、友だちの女の子がたくさん見に来たりして、白熱していました。当時、私はまだキーパーではなかったんですが、ポジションを決める権利を持っていました。そのときは、ちょっと太った子にキーパーをやらせていたんですよ。
試合は前半でボコボコにされちゃったんです。それでも私はピッチの中で味方を鼓舞していました。「大丈夫だぞ、絶対勝てるぞ」って。でも、あまりにも恥ずかしい内容で手も足も出ず、後半から「じゃあ俺がキーパーやる」と言って、キーパーをやることになったんです。
これが、私が初めてゴールキーパーとしてプレーしたときのエピソードです。11歳のときでした。
結局、試合は負けてしまったのですが、とても楽しくて「俺にもできそうだ」という感覚になりました。
自分がリーダーとしてチームを率いることができるし、後ろから叫びまくれる。私はもうキーパーをやろうと決心していたのですが、仲間たちは「お前がキーパーやることないだろ。(太っている)マヌエルでいいじゃないか」と言ってきたんですが、「いや、マヌエルはサイドバックだ」とコンバートしたんです。最終的に彼はユース年代まで、サイドバックの選手としてプレーしていましたよ。もちろん、痩せてね。
これは余談ですが、これまで「ジョアン、この子を練習してほしいんだ」と、ゴールキーパーをやっている子どもを連れてくる人がたくさんいたんです。その中の一人にすごく身長が低くて太っている子がいました。
そういう子を見ると、自分の友だちのことを思いだすんです。結局、小さかった彼もフィールドの選手として、テラッサというシャビ(元バルセロナ)を輩出したチームのユースでプレーしました。最後は痩せて、身長も180㎝くらいになっていました。だから、そのときの見た目だけで判断してはいけないんです。
ジョアン・ミレッ氏 監修『ジョアン・ミレッ 世界レベルのGK講座』2020/1/15発売!
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