元日本代表MF石川直宏が乗り越えた“成長期の壁”。小学生時代は無敵でも「昨日できていたことができなくなる」

2019年10月11日

メンタル/教育

昨日までできていたことができない

 この期待のヤンチャ坊主2人は、そのまま横浜マリノスユースへと昇格する。だが、その後の成長曲線は全く異なる形を描いた。ナオにとって、新たな壁がその前に立ちはだかったからだ。中学卒業を控える頃には、毎朝が楽しみになった。朝目覚めると、「目線が変わった」と思うぐらいだった。だが、この急な成長があだとなってしまう。ボールを蹴っていて、「何かがおかしい」と違和感を覚えるようになった。ユースでプレーするようになると、それが顕著になった。

「ドリブルや、パスだったり、昨日までできていたことが、できなくなることもあった。イメージとのギャップに悩まされた。自分一人だけがスローモーションに掛かっているように感じた。もうわけが分からなくなった」

 夢にまで見たプロサッカー選手まで、あと一歩のところまできていた。ユースのような選りすぐりの精鋭集団の中で、ポジションをつかむのはもちろん容易ではない。だが、決して順調ではなかったが、ようやく視界が開けた途端にドアをバタンと閉められた。このころは、心底自分が嫌いになっていた。

「あれだけ悩んでいた身長が伸びたのに、何でオレばっかり。今までの自分を全て否定されている気分になった」

 自暴自棄になりかけたとき、再び後関が手を差し伸べた。ナオの体に起こっている変化を熱心に説明し、「これは一種の成長障害でクラムジーと呼ばれるものなんだ。辛抱強く頑張っていれば、きっとまた前のようにプレーできるようになるから」と背中を押した。

カテゴリ別新着記事

お知らせ



school_01 都道府県別サッカースクール一覧
体験入学でスクールを選ぼう!

おすすめ記事


Twitter Facebook

チームリンク