元日本代表MF石川直宏が乗り越えた“成長期の壁”。小学生時代は無敵でも「昨日できていたことができなくなる」

2019年10月11日

メンタル/教育

葛藤を繰り返し、道を切り拓く

 クラムジーというフレーズが耳に残ったが、焦りばかりが募った。「何だよクラムジーって。そんな言葉で片付けるなよ。誰かどうにかしてくれ」。試合に出て活躍する大橋の姿が目に映ると、不安は一層膨らんだ。それは苛立ちとなり、周りに飛び火させては不機嫌な態度を隠そうとはしなかった。

 そんなナオを見かねて、後関は一冊の本を贈った。「当時はまだまだ私も経験が浅くて掛けてあげられる言葉が見当たらなかった。きっと本人にしてみれば、藁をもすがる思いだったと思うのに、本を渡すことぐらいしかしてあげられなかった」

 手渡された本の題名は『メンタル・タフネス』(ジム・レーヤー著)。救いを求め、すがる思いでページをめくった。不安に駆られたときは、自宅近くの野比海岸へと向かった。夏場も釣り人がいるぐらいで、ひとけが少ない穴場の海岸だった。その海岸沿いにあるベンチがいつもの定位置だった。

「初めてできた彼女とも一緒によくベンチに座って話をしたりもした。けど、一人でいる時間の方がずっと長かった。何をするわけでもなく、ボーッと海を眺めたり、夏は日焼けをしたりもしたよ。そんなことをしながら本を読んでた」

 その本に書かれていた、剣豪・宮本武蔵が『五輪書』で示した言葉に目がとまった。何度も同じ所を開いたから、癖がついてすぐにそのページで止まるようになっている。それは、後の人生訓となる。

※続きは『素直 石川直宏』をご覧ください。


【プロフィール】

石川直宏(いしかわ・なおひろ)
1981年生まれ、神奈川県横須賀市出身。育成組織から横浜F・マリノスに在籍し、2000年にトップチーム昇格、02年4月にFC東京に加入。03年Jリーグ優秀選手賞、フェアプレイ個人賞受賞、09年にはJリーグベストイレブンを受賞。世代別日本代表としても活躍し、日本代表でも6試合に出場。17年に現役を引退し、翌18年FC東京クラブコミュニケーター就任。19年も同職を務めること決まった。

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【商品名】素直 石川直宏
【発行】株式会社カンゼン
【著者】馬場康平
【体裁】四六判・272P
【発売】2019年10月6日

クラブからも、サポーターからも愛された石川直宏のバイオグラフィー。そのサッカー人生は、度重なる大怪我に見舞われ、夢だったワールドカップ出場も叶わなかった。それでも何度も立ち上がり続けたアタッカーの素顔に迫る。


 

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