「イングランドのサポートメンター」が指摘する“日本の指導者”に必要なこととは?
2019年10月16日
育成/環境指導者育成には客観的に物事を見るのが大事
——ポールさんと話をしていて、イングランドFAが大事にしていることがわかってきました。イングランドFAが世界で勝っていくために手を打ったことは、「選手に体系化された指導ってどういうことをすればいいのか?」も当然大事なんだけども、指導者の意識を変えることとか、選手の能力を引き出すとか、要は指導者側の意識にアプローチしたことが最近代表でもクラブでも世界で勝てるようになった要因のように思えます。
ポール「いいコーチだからこそ低年齢を指導する。私個人の意見ですが、瞬発的に結果を出したいのであれば8歳の子に働きかけても仕方ありません。例えば、私の大学での立場は瞬間的に勝たないといけません。もちろん結果を求められていたけど、私の中では、それ以上に勝ち続けていくことが重要でした。勝ち続けるためには、大学のDNAを作り、環境を作ることが大事で、それが今私が取り組んでいることです。
9チームくらい見ていますが、過去最高の結果を残しています。今シーズンはどのチームもリーグ戦で優勝したり、カップ戦を取ったりできました。でも、簡単にそういう風にできるものでもありません。私はコーチ育成のヘッドでこの大学に来ました。でも、コーチ育成には終わりがなく、やることがたくさんあります。そこにアカデミーコーチがあるとしたら…想像したくもありません(笑)」
——ポールさんはメンターを育成する立場です。メンターを育てる時に見ているポイントはどこですか?
ポール「人によります。人を育成するとしたら、ものすごく大きなプロジェクトになりますよね。逆に、今度は誰がその人をメンターするのかとなっていきます。とても定義できません(苦笑)。もしかしたらコーヒーを飲みながらできるかもしれませんし。今やっていることはすごいのに、結果が出ていない。でも、ここで止めてしまったらずっと結果は現れないですよね。自分が関わっているメンターに対して励ましたり、ポジティブな思考に持っていったりするような感じです」
——非常に客観的な見方ですね。一人のメンターがやっていることの目の前だけを見るのではなく、その背景とか、1週間とか1年間とか、物事を大きく捉えようとしているような気がします。一方で、日本の指導者は今日の練習、今目の前の練習で子どもたちがどれだけうまくなったのかを見ているように感じるんですが、そこにはどういう意見をお持ちですか? 例えば、日本人指導者をメンターした場合にどういう指導をされようとイメージできますか?
「あるチームに10歳の選手がいたとします。その選手には、選ばれた理由があるわけです。例えば、ドリブルがうまいから、と。その子が12歳になった時に、次のユース年代に入るかどうかを決断する場合に、あまり伸びていないからクビにするのか。だけど、そもそも10歳の頃はうまかったはずなので、将来を見込んでキープするのか。そういうことを見ると、その子の将来像というか、完成図みたいなものを頭の中に描きながら育成するのが大事なことだと考えています。
時間はどの選手にも配分しています。
人をどう管理するのかが大事です。では、どうするか? 先ほど言った通り、その人に目標設定をさせるんです。そうすると、基本的に自分が失敗するような目標設定にはしません。そこから質問したりチャレンジさせたりアイディアを出させたり、そういうことを受け止めて認めてあげることです。例えば、『この前きみがプランしたウォーミングアップは良かったよね。オレのチームでもやってみたけど、良かった』。そういう風にやるだろうと思います」
——コーチメンターとして重要なのは、人を管理すること「マネージメント」が一つあるわけですね。
ポール「それが大きい。人生においてそうですよね」
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【プロフィール】
ポール・ニアリー(Paul Neary)
育成年代ではU-16イングランド代表でキャプテンを選ばれ、プロではボルトンワンダラーズ、マンチェスターユナイテッドFC、ブラックプールでプレー。ケガにより引退後、指導者としてのキャリアをスタート。ノリッチシティレディース&ガールズFC、ケンブリッジユナイテッドアカデミー、マンチェスターユナイテッドFCのコーチ(現職)として実績を積む。2014年からスタートしたイングランドFA「コーチメンタープログラム」ではサポートメンターとして250名以上の指導者やチームをサポート。また、同FAでコーチインストラクターとしてレベル1・2などの講義で講師を務める。現在はイーストアングリア大学のサッカー事業担当長として、サッカーを通して学生の人材育成および大学の付加価値高めることに尽力している。また、マンチェスターユナイテッドFCでは主に海外のサッカーキャンプを担当。2018年のワールドカップ前にはアディダスが主催したサウジアラビアの代表チームのコーチ陣に対しての研修会が行われ、マンチェスターユナイテッドFCとレアルマドリードを代表してコーチインストラクターとして参加。
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