8人制になってどんな選手が育つようになった? センアーノ神戸の場合【強豪町クラブから見る8人制サッカー】

2021年05月20日

育成/環境

8人制導入に伴い、指導の変化や選手たちの意識の変化が現れています。実際に現場で子どもたちを指導している人たちの声として、今回はセンアーノ神戸ジュニアの大木宏之監督のインタビューを現在発売中の『8人制サッカーの教科書』から一部抜粋して紹介します。

監修●日本ミニフットボール協会



(写真●佐藤博之)

「止める・蹴る」がしっかりできる選手が増えた

――11人制と8人制の違いは?

 11人制の時代は、ピッチサイズが80mx50mで行っていました。その中で11人制を行っていたため、勝利するためには幅を使うよりも縦に早いサッカーをした方が圧倒的に有利でした。当時は強引なドリブル突破が効果的でもありました。その後、8人制にな り、きちんと幅を使ってボールを保持するチームが増えてきました。そうすることで「止める・蹴る」という基本技術や主導権を握ってのサッカーをすることで「考える」という作業をする選手が増加したように思います。

 また、空間認知を意識したり、身体の向きをきちんと意識した選手が増えました。その影響かグループワークでの崩しなども増えたと思います。そして、そのようなチームから失点しないための守備も様々な部分で工夫され戦術的にも向上しました。(8人制になり)育成年代にとって、プラスの方が圧倒的に多かったと思います。

――8人制になってどんな選手が育つようになったのか?

 まずは、ボールを保持しようとするチームが増えたため、「止める・蹴る」がしっかりできる選手が増えました。それに伴い、オフ・ザ・ボールの質が向上していることも目立ちます。

 また、グループワークによる突破や戦術も増えました。特に(11人制より)スペースが増えたので、スルーパスや動き出しにあわせてボール供給できる選手が増えました。 そして何より人数が少なくなったので、攻守の切り替えが非常に重要になったこと、人数が少ないため1対1で負ければ厳しい状況になるので、そんな部分の責任感ある選手が増えました。

 GKも以前はロングボールを蹴ることが多かったですが、攻撃の起点として重要になりました。ゴール前の攻防も増え、攻守ともに緊迫感を持って対応することも増えたため、技術面や戦術面の質の高い、責任感のある選手が育つようになり、そして活躍するようになったと思います。


つづきは『8人制サッカーの教科書』からご覧ください。


【商品名】8人制サッカーの教科書
【発行】株式会社カンゼン
【発売日】2021/04/20

【書籍紹介】
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