ロンドン五輪代表・吉田麻也選手が炭酸飲料を飲まない理由

2012年08月17日

サッカーエンタメ最前線

8月20日(月)に『プロクラブを支える“食”ストーリー 名古屋グランパス 勝利の食堂』(カンゼン刊)が発売される。著者は、名古屋グランパスの栄養アドバイザーである間宮裕子さん。ジュニサカ本誌連載企画「食べて、強くなるサッカーメシ!」やWEBサイト連載企画「まみや食堂」でおなじみの食のスペシャリストだ。本書は、Jリーグ初の専属栄養士となった間宮さんが、ダイエットやケガ防止などの秘訣、選手の食エピソードを交えながら「プロのサッカー選手は一体、何を食べているか?」を語っている。
今回、書籍から、サッカーエンタメ最前線で紹介するのは、ロンドンオリンピックで活躍した吉田麻也選手にまつわる話。吉田選手がユース時代に間宮さんの講習会を聞いてから、炭酸飲料を飲まなくなったという。その講習会の内容とは……?

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骨折が多い選手は炭酸好き

8月20日発売の間宮裕子著の『プロクラブを支える“食”ストーリー 名古屋グランパス 勝利の食堂』

8月20日発売の間宮裕子著の『プロクラブを支える“食”ストーリー 名古屋グランパス 勝利の食堂』

ユース時代の吉田選手にお話したことは、こんなことでした。
炭酸飲料がなぜいけないか。ひとつは、炭酸飲料には、お砂糖がたくさん入っているということ。ふつう、飲み物を飲んで、「甘いな」と感じるには、だいたい10パーセントの糖度が必要といわれています。ということは、100mlの飲み物なら10グラムのお砂糖量になります。500mlのペットボトルだと、50グラム。それだけのお砂糖を舐めることを考えると、ちょっと怖くなる数値ですよね。

お砂糖もエネルギー源になるのでは? と聞かれることがありますが、お砂糖をたくさんとると、糖分をエネルギー源として燃やすときに、ビタミンB1が使われてしまう。

ビタミンB1は、本来、考えたり、走ったりするときにエネルギー源と一緒に、なくてはならいビタミンです。お砂糖をとりすぎると、ビタミンB1がものすごく使われてしまい、いざ、走ろうとしたときにエネルギー源がうまく燃えずに走れなくなる。

試合を真剣な眼差しで選手たちを見守る間宮さん

もうひとつ、炭酸飲料やスナック菓子などには、リン酸塩という食品添加物が入っています。これは、昔、歯が溶けると言われた原因になった添加物。実際には歯が溶けるのではなく、カルシウムの吸収を阻害するのです。一番よくないのは、食事と一緒にとる炭酸飲料。これが習慣化してくるとカルシウムの不足を招き、骨折しやすくなったり、骨格の成長にも影響すると言われています。各地で小学生のサッカー少年に栄養講習会を実施していますが、骨折したことがある子どもの多くは、日常的に炭酸飲料を飲んでいる傾向が見られます。

グランパスに入ってくるユースの選手たちには、必ずこのような炭酸飲料の問題点について話をしています。話を聞いて、吉田選手のように自ら炭酸飲料を断つ選手がいる反面、小さいころから飲むことが習慣化していて、やめられない場合も多いのです。

※『名古屋グランパス 勝利の食堂』P67-69より一部抜粋(著者●間宮裕子)
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普段、子どもが何気なく飲んでいる炭酸飲料。けれど、その炭酸飲料は子どもの将来の体に思わぬ影響を与えてしまうかもしれない……。どうしたら、プロサッカー選手みたいに強い体になるのか? プロサッカー選手は何を食べているのか? 本書はサッカーファンや食事にこだわる人たちの声に応える1冊となっている。

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