プロフットボーラーの家族の肖像『久保竜彦 ~本気で向き合うということ~』
2013年07月03日
インタビューすでに弊誌の企画、サッカーライフにてお知らせをしてきましたが、7月9日についに、いとうやまねさん著の『プロフットボーラーの家族の肖像』(小社刊)が発売されます。
サッカー専門新聞・EL GOLAZOの連載で掲載された方に新たに3名加え、サッカー人7家族のエピソードを収録しています。(久保竜彦氏、城福浩氏、宮澤ミシェル氏、水沼貴史氏、福西崇史氏、石川直宏氏、原博実氏)
日本代表強化責任者、現役Jリーグクラブ監督、現役サッカー選手、サッカー解説者…と、勝負の世界に、身を投じた男たちの“父親としての声”、“サッカーを通じた子育て論”を凝縮しています。そして、この書籍には、ご家族からご提供いただいた、数々のプライベート写真が掲載されています。普段の姿、父親としての姿がそこに映し出されています。
本日、ジュニサカオンラインショップでの予約開始にあわせて本書に収録されている、久保竜彦氏の内容の一部をご紹介いたします!
※ご購入はジュニサカオンラインショップまで!
(写真提供●石倉利英、佐藤博之、廿口市FC、浦正弘)
■まっすぐに接する
「子どもは、まっすぐに行かないと見抜いてしまいますから」
久保は穏やかな笑顔で、そう語ってくれた。この2年間、子どもたちのサッカーの指導にあたってきた。プライベートでも二児の父親として、娘たちの成長を見守ってきた。その経験から得られた教訓だという。
久保に子どもが生まれたのは、15年ほど前のことだ。長女の柚季(ゆうき)が生まれ、ほどなく次女、杏夏(きょうか)が生まれた。何か習い事をさせたいと思い、いくつかのスクールに通わせてみた。サッカー選手の血をひいているのか、二人ともスポーツに興味を持った。長女はサッカーで、次女はテニス。サッカーは団体競技で、テニスは個人競技だ。性格の違いがスポーツの種類に反映されていた。同じスポーツでも、それぞれ違うところに魅力を感じているのが面白かった。
最初、姉の柚季はテニスと空手とサッカーを掛け持ちしていた。そのうち時間の調整が難しくなり、三つの競技のうちからサッカーを外した。ただし、この決定は良い結果をもたらさなかったことが、後になってからわかる。
妹の杏夏は、最初からテニスの虜だった。始めたのは3歳から。最初は遊びのようなものだったが、そのうち本格的にのめり込んでいった。小学校半ばには、週に3回は練習や試合に費やすようになった。同年代の少女ではもはや相手にならず、4歳上の先輩を相手にゲームをするまでに上達した。
ただ、子どもの4歳差は体格的にハンディが大きい。端から見ていると、まるで大人とやっているようで、体の大きさに圧倒されている感じだ。もっとも、本人は気にしていないようで、全身でぶつかっていく。その代わり、負けた時の悔しがりようは尋常でない。負けん気が強く、試合が終わるとその場で激しく泣くのである。久保によると、「吐くんじゃないか」というほどなのだ。
最近の試合でも、悔しさが爆発した。母の佳奈子さんは笑いながらこう話す。「ぎゃーぎゃー泣いて。周りのお母さん方に『よくやったよ』と慰めてもらうんです。でも、逆に『うるさい!』と食って掛かっていました」このくらい感情表現がストレートだと、かえって清々しく微笑ましい。本来子どもとはこういうものだろう。小さい頃の久保も負けず嫌いで、ひっくり返って泣いていたのだそうだ。どうやら負けん気の強さは、父親譲りのようだ。
勝負の世界に、身を投じた男たちの“父親としての声”
“サッカーを通じた子育て論”を凝縮
7月9日発売
著者:いとうやまね/発行:株式会社カンゼン
[収録]久保竜彦(廿日市サッカークラブ)/城福浩(ヴァンフォーレ甲府監督)/宮澤ミシェル(サッカー解説者)/水沼貴史(サッカー解説者)/福西崇史(サッカー解説者)/石川直宏(FC東京)/原博実(日本サッカー協会技術委員長)
※ご購入はジュニサカオンラインショップまで!
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