冬から春へ! 寒暖差を乗り切るためには「旬の食材」が持つパワーが必要

2019年04月09日

コラム
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4月から新学期が始まります。人間の体は動物と同じように冬に脂肪分をためる仕組みを持っているようです。そのため、新年度に向けた活動に備えるためにも、冬の体を春仕様の戦う体に作り変える必要があります。ちょうど春に旬を迎える山菜などの食材には、デトックス作用があるものがたくさんあります。そこで、4月の食育連載のテーマは「冬の体を春仕様にリセット」とし、管理栄養士の川上えり先生に、冬と春の食事の違いや春食材の栄養の特徴について教えてもらいました。

構成●北川和子 写真●ジュニサカ編集部

 


【前回】子どもが試合で力を発揮するために…。試合の日から逆算した献立の考え方


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【管理栄養士の川上えり先生】
 
 桜の花が咲き、だんだん暖かくなって軽やかな装いでサッカーができる季節になりました。でも、寒暖の差がある4月頃は体の調子が気候の変化に追いつかないことがあります。また、新しい学年になった生活環境の変化で疲れがたまりやすいことも多々あります。そんな中でスタートする新年度には、新チームの多くがリーグ戦やカップ戦を控えていることだと思います。だから、子どもたちがベストなプレーを発揮するには、お母さん方の毎日の食事サポートはとても大切です。
 
 この季節、特に意識して欲しいのは、冬に溜まった体内の老廃物をきちんと排出して体をリセットすることです。冬の食事は脂質の多い肉類が増え、また冬の野菜は糖質を、冬の魚は脂質を豊富に含んでいます。そうすると、自然にそういった食材を取り入れ、体内には処理しきれない脂質がたまりやすくなって、どうしても自然に老廃物が蓄積されることになります。そうなると当然、季節の変わり目と重なって、疲れもよりたまりやすくなります。
 
 だからこそ冬の体を一度リセットするために、ぜひ春の食材を上手に取り入れてほしいのです。
 
 先ほど、冬の体は老廃物や脂肪がたまりやすい傾向にあるとお伝えしましたが、その理由の一つが、冬と春の食材の違いです。なので、まず「冬の食材」と「春の食材」の違いについて少し触れたいと思います。
 
 動物は、寒い冬を乗り越えるために断熱性が高い脂肪を蓄積します。そのため、動物性タンパク質の肉や魚は、冬に脂肪が高くなる傾向にあります。例えば、冬の魚は脂がのっているものが多く、牛の乳も乳脂肪が高くなると言われています。そうすると、こうした食材を体内に取り込んでいる人間も同様に、冬は脂肪を蓄積しやすくなります。
 
 また春に比べ、冬には旬の野菜が少なく、大根やニンジンを始めとした根菜、白菜、ホウレン草など限られた野菜を日々の食卓で使い回している家庭は多いのではないでしょうか。昨今はハウス栽培の野菜が多く出回って手軽に買うことができますが、旬の時期と比較しても栄養価が低く、バランスよくビタミンやミネラルを摂取するのが難しい季節でもあります。
 
 そのため、冬の食事は油断すると高脂質・低ビタミンのメニューになりやすくなります。
 
 結果として、体の中に脂肪や老廃物が蓄積されやすくなるというわけです。食事以外の面でも、寒さで代謝機能が落ち、運動量が減ることで、老廃物が体外に出にくくなります。子どもたちのプレーにおいても「なんとなく体が重くて調子が出ない」いったことを口にし、お母さん方も「そういえば……」と実感するシーンがあるのではないでしょうか。
 
 3~4月になると、葉物野菜のバリエーションがどんどん増え、栄養が豊富な山菜も野菜売り場に出回り始めます。なかでも、旬の山菜にはデトックスをもたらしてくれる作用があります。なので、食卓には旬の食材を上手に使ったメニューを並べて、冬仕様の体を少しずつ春仕様に切り替えていきましょう。

 

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