ベガルタ仙台、クラブ史上初のベスト4! 粘り強い守備で躍進/取材レポート
2019年12月28日
育成/環境
取材・文・写真●小林健志
大会中に自信をつけた守備
「JFA第42回全日本U-12サッカー選手権大会」は3日目を終え、残すは決勝、柏レイソルU-12(千葉県)—バディーSC(神奈川県2)のみとなりました。
今大会で大躍進を遂げ、決勝まであと一歩まで上り詰めたのは宮城県代表のベガルタ仙台(宮城県)でした。過去の最高成績は現在ヴィッセル神戸でプレーするMF郷家友太選手や、北海道コンサドーレ札幌のMF檀崎竜孔選手、栃木SCのMF荒井秀賀選手らを擁して戦った2011年の全国ベスト8が最高成績でしたが、今大会は横浜F・マリノス(神奈川県1)や、八尾大正FC(大阪府)など強豪を打ち破り、「全国ベスト4になって白波スタジアムで試合をする」という今年のチーム立ち上げ時に設定したという目標を見事達成しました。
特長は粘り強い守備。FW10番・伊藤琉斗くんが最前線で激しくプレスをかける。3人のDFラインはいずれも球際勝負に強い選手。対人守備で圧倒的な強さを誇る9番・野川一聡くん、ヘディングの競り合いに強く、カバーリングも上手な2番・木村陸くん、フィジカルの強さに加え、左足で斜めに入れるロングフィードの精度が高い6番・似内久穏くんの築いたDFラインは鉄壁の守りを見せました。さらにはGK1番・小川陽海くんは時にはペナルティエリアに出てのクリアも見せるなど、守備範囲の広いGKでした。
1次ラウンド初戦は名古屋グランパスU-12(愛知県)に0-1で惜敗したものの、MSS(大分県)戦は伊藤くん、木村くんが2ゴールずつを挙げ、中盤の攻守の要MF7番・阿部琉海くんもゴールを決めて5-0と快勝。和歌山ヴィーヴォU-12まつえ(和歌山県)戦は前半伊藤くんのゴールで先制し、後半はコーナーキックからオウンゴールを誘発。1点を返されたものの2-1で勝利し、勝点6でグループE1位となって決勝トーナメントに進出しました。
ラウンド16の横浜F・マリノス戦は相手にボールを持たれ、パスを回される厳しい展開でした。それでも「ボールをもたれているからといって相手が主導権を握っている、優位に試合を進めているとは考えないでいこう」と福田直人監督が試合前に伝えていたこともあり、選手たちは粘り強い守備を続けました。前半3分ミスから失点したものの、9分コーナーキックから似内くんのヘディングシュートで同点に追いつきます。そして試合終盤の38分、最前線で攻守で奮闘していた伊藤くんに代えて投入した5年生のFW20番・佐々木亮くんがゴールを決めて2-1と逆転勝利を挙げました。
28日午前の準々決勝八尾大正FC戦は、前日横浜F・マリノス相手に守備が機能したことが自信となり、相手の攻撃をしっかりとはね返し、後半伊藤くんの2ゴールで勝利。「ただただ選手に感服します」と福田監督も大会期間中の選手の成長に目を細めていました。かくして午後、白波スタジアムで行われた準決勝へと駒を進めました。

準決勝の対戦相手は柏レイソルU-12(千葉)。この試合も自慢の守備が機能しますが、なかなかゴールチャンスをつくれません。「相手の14番(三村叶夢くん)の守備が強くて、前へ行きづらかったです。」と伊藤くんが振り返ったとおり、なかなかシュートまで持ち込ませてくれません。それでも前後半40分を0-0で終え、さらには延長戦も互いに得点が入らなず、PK戦突入かと思われた49分、レイソルがコーナーキックのチャンスを得ると、こぼれ球を拾った11番・沼端隼人くんのミドルシュートが決まり、0-1で試合終了。「もうすぐPKかなと思い気が緩んでしまいました」と似内くんは失点時の対応を悔やんでいました。試合後、ベガルタの選手たちは崩れ落ち、皆、涙を流しました。
「ベンチにいる選手も含めて選手たちは出し切ってくれたと感じています」と語るベガルタの福田監督は、球際の強さというチームの強みを存分に生かし、相手にボールをもたれても最後まで戦う姿勢を失わないスタイルが実を結びました。
似内くんは「もっと一人ひとりうまくなって、こういう大会で優勝できるようにがんばりたいです。1対1のかわすドリブルや球際の強さを極めたいです」とさらに自分の武器を磨こうとしていました。伊藤くんは「今回は負けてしまいましたが、今後全国大会に出る機会があれば優勝したいと思います」と中学年代以降への抱負を語りました。
全国ベスト4はクラブ史上最高成績で、本当に立派な成績です。選手のみなさんにはこの大会での経験を成長の糧とし、ぜひプロ選手へと羽ばたいてほしいです。
<関連リンク>
・JFA 第43回全日本U-12サッカー選手権大会
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