風間八宏氏監修!! 世界に通ずる“トラウムトレーニング”流のファーストタッチ習得術とは【前編】

2014年02月12日

コラム

「トラウムトレーニング」とは、風間八宏氏(現川崎フロンターレ監督)が監修するサッカースクール。現在、総監督として指導する内藤清志氏は、風間氏が筑波大学蹴球部で指導していた時期に長年指導を仰いでおり、スクールの設立当初から子どもたちを指導している。トラウムトレーニングでは、「ファーストタッチ」についてどのように子どもたちに指導しているのだろうか。トラウムトレーニング流のファーストタッチ習得術を探った。

文●鈴木康浩 写真●編集部

※『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.30秋号』P058-063より転載


ファーストタッチの置き所は「家」

 まず、内藤清志氏(トラウムトレーニング総監督)はスクールのコンセプトを、「どこでも誰とでも本当の意味でサッカーを楽しめる選手を育てることが目的です。そのために、まずはしっかりとボールを扱えるようにしてあげることが大事だと考えています」と説明する。

 トラウムトレーニングで重要視するのは、やはり基礎だ。ボールフィーリングを養うための個々のドリブル練習、さらに三人一組にわかれてボールコントロールを磨く。内藤氏は、このボールコントロールのトレーニングで、相手からボールを受けたときのファーストタッチを「家」という言葉を使って説明する。

「自分の感覚で、ここであれば安全、という場所を探すことが大切です。つまり、それが『家』ということです。メッシであれば左足の前、フィーゴであれば両足の間でしょうか。これは人によってさまざまですが、『家』とは、自分が動かしたいときにすぐ動かせる場所にボールを置く、というイメージを指して言っています」

 内藤氏は、ただし、とこう続ける。
「たとえば、体の動きに無理がきくような子どもが、あえてボールをさらして止めて、相手が『奪える!』と感じて奪いにきた瞬間に、パッと入れ替われるようなことがあります。子どもがその感覚のほうがやりやすいのであれば、その成功体験を頼りにしてそのまま伸びていくかもしれません。その場合は無理に、『家』にボールを収めよう、これが正解だよ、と強制するようなことはしません。子どもの感覚を一人ひとり慎重に見極めることが大事だと考えています」

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