子どもにルールを教えるには?

2012年07月31日

メンタル/教育

池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回のお悩みはサッカーのルールの教え方についてのご相談です。

◎自宅(ピッチ外での子育ての悩み)

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(質問者:小学2年生の保護者)

現在、ボランティアで小学2年生の担当コーチをしています。チームは、基本的に、子どもたちにサッカーを楽しんでもらう指導方針で、ミニゲームを中心とした練習をくり返しています。もちろん、まだまだ団子サッカーなのですが、なかには、ルールを知らず、後ろから思い切り削ってボールを奪いに行く子がいます。そういった子には、「後ろから削るのはファールになるよ、ちゃんとサッカーにはルールがあるからね」と注意をしますが、なかなか言うことを聞いてくれません。
子どもたちにはサッカーを楽しむうえで、反則などのルールも知ってもらいと思いますが、まだまだ小学2年生だと、そういったことは教えない方がいいのでしょうか。例えば、公式試合が増えてくる小学4年生ぐらいから教えるのがいいでしょう。あと、もしルールを子どもたちに教えるときの工夫があれば、教えてもらえるとありがたいです。

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「足を蹴ってはダメ!」と禁止する言葉ではなく、
「ボールを蹴ろう!」という具体的な声がけを

 「足を蹴っちゃダメ!」と子どもに言わないこと。私がよくやる指導法は、ミニゲームなどに一緒に入って、以下のように子どもに声がけをします。

 「蹴るのはボールですよ!」「よく見て! よく見てボールを蹴ろうね」そう言いながら、私がボールを蹴ると、子どもたちはボールを蹴ることに集中し始めます。すぐに大きな変化は起きなくても、徐々にボールを蹴るようになります。

 2年生くらいでは、相手の足を蹴り始めると、もう止まらなくなります。とにかく「何かを蹴りたい」という衝動を止められないのです。注意しても「僕も足を蹴られたから」とか「あの子も蹴ってる」などと言い始めますね。

 ですので、ここは「ルールはこうだから」と言った理論ではなく、実際にボールを蹴ることでトレーニングしていきましょう。それも、冒頭で説明したように「足はダメ!」といった何かを禁止する否定的な言い方ではなく、「ボールを蹴りましょう」という呼びかけです。これはダメ、ではなく、どうすればいいかを短い言葉を何度も言い続けることで、注意を促します。

 また、このときに気をつけなくてはいけないのは、バンバン蹴ってしまう子に対して、とりたてて目くじらを立てないこと。「足を蹴っちゃダメって言っただろう!」とか「ケガさせたらどうするんだ!」などと低学年の子に対して、怒鳴っているコーチの方をよくお見かけします。

 大人が見せる感情的な態度や、言葉で子どもを動かそうとしてはいけません。サッカーの認知度や理解度は、すべてトレーニングで解決していきましょう。要するに、よくいわれる「体で覚える」ということです。焦らず少しずつ取り組んでいけば、バックチャージなど他のルールも少しずつ理解していきます。

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