日本代表の心臓・遠藤保仁がワールドカップを語る
2014年06月03日
インタビュー6月2日(月)(日本時間6月3日)に行われた日本対コスタリカの試合で後半に同点ゴールを決める活躍をした遠藤保仁選手(ガンバ大阪)。日本代表の中心として攻撃のタクトをふるい、過去2回のワールドカップでもメンバーにも選ばれ、代表出場試合数も最多の143を誇ります。そこで今回は遠藤選手に、まもなく開幕するブラジルワールドカップについての展望や、思いなどを語っていただいたインタビューをご紹介します。
文●元川悦子 写真●安田健示
■増えている強豪相手のいい攻撃
――本田圭佑(ACミラン)選手が昨年10月の東欧遠征で2連敗したあと、「南アの時は直前に選手ミーティングをやったけど、今のチームは半年以上前に危機感を持って話し合いをしている。それだけ進歩してるということ」と話していましたけど、自らアクションを起こす意識は確実に変化しているのでは?
「僕が若くてワールドカップを経験してなかった頃は、日本の置かれた状態も違いましたよね。当時はどうやって相手のよさをうまく消しながら勝てるかという状況だったけど、今はいかにして楽しくやって勝つかを考えてる。自分たちが主導権を握って勝てるところまで来てると思うんで、そこは全然違いますよね。実際、選手たちも強豪相手にどうすれば勝てるかを真剣に考えるようになっている。ブラジルの半年以上前の昨年10月の時点でより高みを目指してやっていたのは、非常にいいことかなと思いますけどね」
――本田選手がミラン、香川(真司)選手がマンチェスター・ユナイテッドへステップアップするなど、選手のプレー環境の変化も意識向上につながっていますか?
「そうですね。国際経験値はこれまでとは全然違いますし、もちろん質も上がっていると思います。フィニッシュの部分もビッグチャンスがより増えてます。それが実際の得点につながるかどうかは別として、強豪相手にいい攻撃ができる場面は確実に増えていますよね。そういう部分も結果次第では『何だったんだ』って言われる可能性はありますけど、4年間を見れば、間違いなく全ての面で成長してるんじゃないかと思いますけど」
――今大会の相手は南ア直前にスイスで戦ったコートジボワールということで、試合に出た遠藤選手としては具体的なイメージが描きやすいですか?
「その時、出ていた中心選手も残ってるし、監督が変わればやるサッカーも違ってくるでしょうけど、非常に強敵ですね。調子に乗らせたら好き放題やってくる選手も多い。前回の初戦もアフリカ勢のカメルーンだったけど、自分たちが先に点を取れば、かなり優位な状況に立てる。相手のストロングポイントを消しつつ、自分たちの土俵でサッカーをできるかが非常に重要だと思います」
――遠藤選手がゲームをコントロールできる展開になれば、日本らしい試合運びをして勝てるのではないですか?
「コートジボワールの映像を見てないので、ハッキリしたことは分からないですけど、アフリカ特有の身体能力は物凄いものがある。ただ、ボールウォッチャーになりやすいので、組織的に戦ってうまく3人目で絡むようなプレーができれば、間違いなく崩せるでしょう。僕が機能しているってことは、たくさんボールを触っているってことだし、そうなればポゼッション率も高くなる。相手はそんなに我慢強いチームでもないだろうから、必ずスキは出てくるんじゃないですかね」
――1次リーグはギリシャとコロンビアと続きますけど、一番やりづらいのは?
「僕はコートジボワールだと思います。コロンビアのことをみんなは強いと言ってるけど、自分はコートジボワールと実際に戦って、実力を体感してる。そういう意味で一番嫌だし、侮ってはいけないチームだと思います。相手には経験豊富な選手が多いですし。一発で試合を決められる選手もいる。慎重に入り過ぎる必要はないけど、試合の入り方は非常に重要なんじゃないかなと思います」
――ヤヤ・トゥーレ(マンチェスター・シティ)と遠藤選手の司令塔対決が1つのポイントですね。
「何でもできる選手ですからね。世界のベストプレーヤーの1人だと思うし、彼をチームとして機能させないようにしないと。個人で局面を打開できる選手ばっかりなんで、極力コンパクトにして相手にボールを与えなければ、失点することはまずない。やっぱり自分たちがゲームをコントロールできれば、勝つチャンスは増えるかなと思いますけど」
――前回のベスト16を上回る結果が求められてきますけど、遠藤選手自身の目標は?
「まずは1試合ずつですね。1次リーグを突破しない限り、上へ行くチャンスはないので、まずは3試合でしっかり結果を出して、いい流れを作って、そこから先のステージへ進んで行ければいいと思いますけどね」
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