【U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2014 特別コラム】やはりバルサは世界レベル。その世界を相手に日本のチームが通用したこと、しなかったこと

2014年09月01日

コラム

FCバルセロナの2連覇で終幕した「U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2014」。世界レベルの戦いを披露したバルセロナに、日本のクラブが通用したこと、通用しなかったことは何なのか。総括コラムをお届けします。

文●浜田尚輝 写真●編集部 協力●株式会社アレナトーレ


前大会以上にレベルの高い戦いぶりを見せた日本のチーム

 昨年に引き続き、8月28~31日の4日間に渡って「U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2014」が開催された。今年で2回目となる同大会には、前回王者のFCバルセロナの他にACミラン、インドネシアのアシオップ・アパチンティ、Jクラブのアカデミー9チーム、東京都U-12、そして今大会から設けられた街クラブ枠として長野県の諏訪FCプライマリー、埼玉県のレジスタFC、高知県のArancio Giocare香我美らを招いて計16チームで行なわれた。

 今大会には、東京ヴェルディジュニアをはじめとした2回目の参加となるクラブもいくつかあり、昨年の大会を踏まえてしっかりと準備してきたチームも少なくなかった。昨年の決勝はリバプールとバルセロナという欧州クラブ同士の戦いとなったが、今大会では日本のチームがバルセロナ、ACミランを相手に善戦することが多く、昨年度以上にレベルの高い戦いぶりを見せてくれた。

 結果としてはバルセロナが6試合で23得点1失点の全勝で大会2連覇を達成したわけだが、バルセロナを相手に戦ったチームは前回大会のようになす術無く敗れたわけではなく、それぞれのチームカラーを出しながら善戦したと言える。

 例えば初日にバルセロナと対戦した鹿島アントラーズはラインを高く保ち、コンパクトにブロックを作って守備重視の戦いを徹底。初戦の難しさも手伝って、前半を0-0と無失点に抑えることができた。前回大会のバルセロナの初戦が4-0と、東京ヴェルディジュニアを粉砕したことを考えれば十分バルセロナを苦しめたと言える。

 また、バルセロナの2戦目の相手、大宮アルディージャもマイボール時は後ろからのビルドアップでボールを前へと運び、大会直前にベルギー遠征を行なっていることもあってか大柄で速いプレスを仕掛ける外国人選手相手に臆することなくボールをつなぐことができていた。前半の終盤には相手のミスをつき、1点を先制して1-0で前半を折り返している。

 3日目のレジスタFCとバルセロナの試合では、レジスタFCがチームコンセプトの1つでもあるマンマーク戦術で各エリアに1対1の状況を作り、その中でバルセロナの選手に競り勝つシーンもいくつか見られた。後半には前回大会を含めてあまり見られなかったバルセロナが自陣に押し込まれる状況もあった。体の大きさやスピードの違いはあるにしろ、1対1の局面では日本の選手でも十分に戦えることを証明したと言えるだろう。

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