サッカーとラグビーの違いはどこに? “フットボール”の源流を探る
2016年01月29日
コラムラグビーがブームになり、サッカーの人気に停滞感が漂う今だからこそ、フットボールの原点と魅力を思い起こしたい。今回は、『フットボール批評issue09』からフットボールの源流を一部抜粋して紹介する。
(文●後藤健生 写真●Getty Images)
サッカーとラグビー、最大の違いは?
フットボールに類するゲームは世界の各地に存在したが、現在のサッカーやラグビーの直接のルーツはイングランドで盛んに行われていたフットボールという名の遊びだった。町や村の男たちが(時には女も)組んずほぐれつしながらボールを敵陣に運ぶ、かなり乱暴な遊びだった。ほとんどルールらしいルールもなく、多くの怪我人も出た。
19世紀になると、フットボールはイングランドの上流階級の子弟のための学校であるパブリックスクールで体育教育の一環として取り入れられ、次第にルールが整えられていく。しかし、学校によって、また卒業生たちが結成したクラブによってルールがまちまちだったので対外試合をすることが難しかったのだ。そこで、1863年12月にロンドンのクラブがアソシエーション(FA=協会)を結成して統一ルールを作成した。それが、アソシエーション式フットボール(サッカー)の始まりだった。
FAルールはケンブリッジ大学のルールをベースにしたもので、その基本はパブリックスクールの一つイートン校のルールだった。しかし、やはりパブリックスクールの一つであるラグビー校式のフットボールをしていたクラブは協会参加を拒否。1871年にラグビー・フットボール・ユニオンを結成することになる。
これがラグビーの始まりだ。しかし、サッカーとラグビーのルールは初めはそれほど違わなかった。「どちらのルールで試合をするか」について両クラブの意見が合わなければ、前半はFAルール(サッカー)、後半はラグビー・ルールで試合をすることすら可能だったのだ。
たとえば、最初のFAルールでは手を使ってボールを止めること(フェアキャッチ)が認められていた。ラグビーとの違いは、そのままボールを抱えて前に走ること(ランニングイン)ができるかどうか、それだけのことだった。
現在では「前半はサッカー、後半はラグビー」などという試合は不可能だ。第一、得点の仕方がまったく違う。
だが、初期のラグビーではサッカーと同じく「ゴールにボールを入れたら1点」だった。当時のルールでは、サッカーでもラグビーでも、ボールがゴールラインを割った場合は両チームの選手がボールを追いかけて先に地面に抑えたチームにボールが与えられた。守備側の選手が先にタッチダウンすれば守備側のキックで試合再開。逆に攻撃側が先だったら、その地点からゴールラインに直角に引いた仮想のライン上からゴールに向けてキックできた。
その後、サッカーでは最後にボールに触った選手がどちら側だったかによってゴールキックかコーナーキックで再開するようにルールが変わった。一方、ラグビーでは攻撃側がボールをタッチダウンしたこと自体(トライ)に得点が与えられるようになり、次第にゴールよりもトライが重要視されるようになったのだ。今ではトライが5点で、コンバージョンが2点。つまり、ラグビーではボールをゴールに入れることよりも、ボールをゴールラインの後ろに運び込むことが最大の目的となったのだ。

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