“守備のテクニック”が浸透しつつある青森FC、大勝で全国大会への切符を獲得/JA全農杯チビリンピック小学生8人制サッカー大会 東北大会決勝レポート

2017年03月06日

大会情報

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(文・写真●小林健志)

青森FC U-12がゴールラッシュで東北大会を制す

 3月4日(土)~5日(日)、相馬光陽サッカー場にて行われた「JA全農杯チビリンピック小学生8人制サッカー大会東北ブロック予選」。東北6県より各県予選を勝ち抜いた2チーム、計12チームで5月3日(水)~5日(金)に横浜で行われる全国大会出場を目指して争った。

 決勝に進出したのは青森FC U-12(以下、青森FC)とコバルトーレ女川・石巻ジュニア(以下、コバルトーレ)。両者は4日の予選リーグでも対戦し、青森FCが3-1で勝利していた。コバルトーレはその時のリベンジを狙い試合に入ったが、立ち上がりから積極的に仕掛けたのは青森FC。第1ピリオド開始わずか1分で15番・デンハム公士理くんが相手DFラインの背後に抜け出し、GKとの1対1で股を抜く技ありゴールを決めて先制に成功。第1ピリオドは1-0で終了した。

 第2ピリオドに入っても青森FCは攻撃の手を緩めず、4分には17番・鳴海龍之介くんのシュートのこぼれ球を18番・佐藤空芽くんがゴールに押し込み2点目。さらに7分6番・大沢悠真くんのミドルシュートのこぼれ球を11番・泉山周仁くんがゴールに押し込み、3-0と青森FCはリードを広げた。

 第3ピリオドも青森FCの勢いは止まらなかった。7分には再三決定機に絡んできた10番・津島巧くんのシュートこぼれ球を7番・本田陽大くんがゴール。14分にはキャプテン9番・山本虎くんのクロスボールから本田くんがこの日2点目のゴール。15分には津島くんのコーナーキックから山本くんが168cmの長身を生かしたヘディングシュートを決めて試合終了。6-0と大勝で青森FCが初優勝、全国大会出場を決めた。

 青森FCは一度シュートを止められても、別の選手がゴール前に詰める攻めの厚みが魅力だが、こだわっているのは守備。球際勝負に非常に強く、ボールを奪ったら素早く攻めに転ずる。球際勝負の部分もただ激しく行くだけではなく、うまく相手選手と距離を取ったり、腕や手をうまく使ったり頭脳的なプレーでボールを奪っていた。視察に訪れた日本サッカー協会ナショナルトレセン東北チーフコーチの手倉森浩氏も「ただ球際に強いだけでなく、みんな戦術眼を持っている」と頭脳的な守備に目を見張っていた。

 2013年に父親の伊藤慎悟氏から監督を受け継いだ伊藤豪監督は「守備はテクニックが大事」と常々語り、ボールを奪うテクニックにこだわっている。そうした指導が実り始め、頭脳的な守備から分厚い攻めへ転換するサッカーで県内・東北のみならず全国の舞台でも成果が出始めた。

「絶対に負けないという戦う気持ちについては常に言っています。精神的な土台の上に守備のテクニックを加えるやり方が浸透してきました」と指導ポリシーが結果に結びついてきた手応えを語る。大会5試合で失点はわずか2。だが「その2失点ももっとメンタル面が良かったら何とかなっていました。防げた失点ですので、まだ甘いです」と伊藤監督は厳しく振り返った。これだけ守備にこだわっているから、失点した悔しさが先立つのだろう。

 「もう全国で惜しいとか悔しいではなく、勝って爪痕を残したい」と伊藤監督は語る。頭脳的で強固な守備と、厚みのある攻撃は、十分全国大会でも通用しそうだ。昨年末の全日本少年サッカー大会での「惜しい」から脱し、「予選リーグを突破(ベスト4進出)したい」と目標を語る伊藤監督。目標が現実となる可能性を十分に感じさせる東北大会での圧倒ぶりだった。

<関連リンク>
JA全農杯チビリンピック2017 小学生8人制サッカー大会

 

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