GKの仕事は「失点をしないこと、ゴールを守ること」。日本と欧州の違いは“アタックの意識”
2017年05月09日
コラム日本が強くなるために、GKのレベルアップは必要不可欠なことだ。強豪国には、ゴール前にトップレベルのGKが必ずと言っていいほど君臨している。日本のGKが世界のトップを目指すために必要なことは何なのか。現在FC岐阜でGKコーチを務める川原元樹氏の理論を『フットボール批評issue16』から一部抜粋して紹介する。
(文●清水英斗 写真●Getty Images、フットボール批評編集部)
欧州のキーパーは「ボールにアタックする」

――ドイツといえばGK大国として知られています。日本とドイツではGKの常識やベースとなる考え方に、何か違いはありますか?
川原 常識の違いはないですね。大事なものは一緒です。失点をしないこと、ゴールを守ること。それはドイツも日本も一緒です。
――近年は足下の技術の重要性もクローズアップされましたが、やはりいちばんは、その点ですか?
川原 GKがビルドアップに参加するとか、コーナーキックから点を取るとか、いろいろありますが、やはりGKがいちばん喜びを感じるのは、チームを救うセーブ、あるいは無失点に抑えることです。それはドイツでも日本でも、小学生からプロまで一緒ですね。
――違いがあるのは、技術的なところ?
川原 そうですね。GKの技術は少し違うと思います。特に違いを感じるのは、ボールに向かって行くプレーです。以前から日本でも「斜め前に倒れろ」、シュートコースを狭めるために「前に行け」とは言われましたが、それ以上に、ボールに向かって「できるだけ早く、強く触りに行け」、「自分からアクションを起こせ」という指導はなかったと思います。
――具体的にはどういうシーンの違いですか?
川原 たとえば、シュートをキャッチするなら、少しでも前でボールを捕る。セービングでも、ボールに対していちばん早く触りに行く。ひじを曲げた状態で届くボールだったら、ひじを前に伸ばし切り、より前方のポイントで、あるいは斜め前方のポイントで捕りに行く、ということですね。ドイツや欧州では「ボールにアタックする」という表現を使います。
クロスや1対1も同じです。できるだけ前でボールに触る。たとえば1対1の場面で、日本では間合いを一歩詰めて横向きにダイビングするところを、一歩踏み込んだらそのまま前に倒れてボールに対して一直線でフロントダイビングすれば、もっと早く触ることができます。それが「ボールにアタックする」ということだと思います。
私の知り合いのオランダのGKコーチは、正面のシュートが来たら、一歩前へ踏み出して捕れ、できるだけ身体全体を伸ばし切って前で捕れ、と。そういう指導をする人もいます。ゴールを守るやり方はいろいろありますが、それくらい「ボールにアタックすること」を欧州では大事にしているわけですね。最初に提唱したのは、おそらくユベントスでジャンルイジ・ブッフォンを指導しているクラウディオ・フィリッピかなと思います。この「アタック」の意識がゴールを守る上で大きな差になります。
――そういえば以前、ドイツで指導する日本人のGKコーチが、「ドイツのGKはボールに触ったら必ず枠の外へはじくけど、日本ではボールに触ったのに、シュートの勢いに負けてゴールに吸い込まれる失点が多い」と言っていました。これはアタックの意識の違いから生じることですか?
川原 それが原因のすべてではないと思いますが、ひとつの可能性ではあるかもしれません。つまりセービングをする際にボールに対して腕や身体を伸ばし切れていない状態、ということだと思います。ひじが曲がっている状態だと力が伝わらず、手先だけの力になってしまいます。でも、腕を伸ばし切れば、上半身や肩からパワーが手につながります。決して日本のGKにパワーがないわけではなく、アタックして早く触る意識がないために、ボールに対して力強くアプローチできずに後ろに逸らしてしまうのではないかと思います。
――なるほど。実際にポーズを取ってみると、よくわかりますね。たしかに、ひじが曲がっている状態では手先の力しか使えません。このような技術は身体に染み付けないと、試合で実践できませんね。
川原 そうですね。でも、意識すれば絶対にできるし、誰でもうまくなる可能性があります。日本人だから、身体が小さいから、細いから、できないということはないですよ。
(続きは、フットボール批評issue16でご覧ください)

【商品名】フットボール批評issue16
【発行】株式会社カンゼン
B5判/160ページ
2017年5月6日発売
⇒―サッカーは半歩で見える世界が変わる―サッカーの定義を変える天才の技術論
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