「プレー機会の平等をどのように創出するのか」。ジュニア年代に問われている課題と、その解決が将来につながる一歩である
2018年01月09日
コラム昨年末の全日本少年サッカー大会後、あらためて2017年度のジュニア年代のサッカーを振り返って感じたのは「環境」だった。全国大会と位置づけされるような大会では、全員が出場しているわけではない。この年代は「育成が本分」であるはずなのに、プレー機会が与えられていない選手がいるのはなぜか? 現場の指導者は子どものために日々奮闘し、それぞれが考えを持って指導にあたっている。一体、何を改革したらいいのだろうか。
取材・文●木之下潤 写真●佐藤博之

8人制に切り替えた結果、全少で何が起こったのか
全日本少年サッカー大会の初日、目の前で繰り広げられたJクラブと町クラブの戦いはとても見応えがあった。
終始劣勢ながらも清水エスパルス(静岡県)をカウンターで沈め、2対1で勝利したMIRUMAE FC(岩手県)と、結果的に0対3で負けてしまったが、今大会を制したセレッソ大阪を相手に後半10分近くまで0対0と食らいついたブレイズ熊本(熊本県)の攻防は印象的だった。
勝つためにはどうすればいいかと、体を張って全員で守備に奮闘した「MIRUMAE FC」。DFラインから丁寧にボールをつなぎ、普段どおりのスタイルを貫いた「ブレイズ熊本」。町クラブがJクラブに対してどのような姿勢を見せるのかは、将来の日本サッカーを投影する一つの鏡だと捉えている。
それはJクラブの選手たちがそのままプロになるわけでも、代表になるわけでもないからだ。サッカー選手として荒削りな町クラブの選手たちの中からJクラブでは生まれない魅力ある個が育ち、将来「違い」を作る。だからこそ町クラブがJクラブに挑戦する姿勢をとる限り、いま転換期である日本サッカーが悪い方には転ばないと信じている。
だが、危機的な状況を抱えているのも事実だ。
「JFA TECHNICAL NEWS 2017年12月号」で発表された、全日本少年サッカー大会のデータでは冬開催となった2015年と2016年を比べても悲観的な数値が並ぶ。
1.全員出場のチーム数/割合
17(2015年)→6(2016年)/35%(2015年)→13%(2016年)
2.全員出場が10分以上出場したチーム数/割合
5(2015年)→1(2016年)/10%(2015年)→2%(2016年)
3.出場選手数/割合
627(2015年)→580(2016年)/84%(2015年)→76%(2016年)
4.未出場選手数
121(2015年)→175(2016年)
5.1試合平均得点
4.2(2015年)→3.66(2016年)
6.1試合平均シュート数
21.4(2015年)→18.5(2016年)
※参照:「JFA TECHNICAL NEWS 2017年12月号」
記事を読んだが、この数値に対する考えは記載されておらず、「この年代では多くの選手に可能性がある!(誰が将来良い選手になるかは分からない)」「この年代ではチームのやり方やポジションの役割よりも、状況に応じてプレーできる力をつけさせることが大事!(将来どのポジションでプレーするかは分からない)」「特定の選手だけでなく、チーム全体のレベルアップを図ることで最終的に良いチームに!」というJFA(日本サッカー協会)が推奨する抽象的なスローガンとともに、「近年、選手を固定して戦うチームが増加しています。今後はルールなどでコントロールすることも検討していかなければいけないことを確認していきました」という言葉が添えてある程度しかない。
少し辛辣に書けば、「これは現場が解決する問題でしょう?」という本音が見え隠れする。
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