丈夫な体をつくるには!? 子どもの成長期に大切な〝骨づくり〟を学ぼう!!【前編】

2013年11月23日

コラム

サッカーの技術の習得に最も適している『ゴールデン・エイジ』は、成長期とも重なります。そして、この時期にこそ、食を通じてもっと丈夫な骨づくりを意識してほしいと、虎石真弥さんは話します。虎石さんは、2012年度に史上初めての大学選手権4連覇を達成した帝京大学ラグビー部、2011年の箱根駅伝で往路優勝を果たした東洋大などを支えたスポーツ栄養士です。骨の研究も行っている虎石さんならではの視点から、丈夫な体をつくるための「骨づくり」の重要性について語ってもらいました。

文●島沢優子 イラスト●伊藤さちこ

※『ジュニアサッカーを応援しよう!VOL.21夏号』P112-117より転載

 


子どもが隠す疲労骨折

まず、成長期の骨づくりの重要性についてお話ししましょう。

私は管理栄養士として大学スポーツに携わるだけでなく、ジュニア世代の栄養指導も行っています。実は小、中学生の子どもやその親御さんと接する中で、「骨」の発達の重要性に気づきました。

子どもたちは小さくても、一人前のアスリート。スポーツが大好きで、目標を持って練習に励んでいます。ところが、真面目で一生懸命に取り組む子ほど、故障で壊れてしまうケースが少なくありません。その最たるものが疲労骨折。特にサッカーではその競技性から起きやすい故障のひとつです。ねんざのように患部が腫れたりせず、他人からはわかりにくい表に出ない痛みのため、子どもはその苦痛を隠す傾向にありました。「試合に出たいから、練習を休みたくない」と、小さい子がそう話すのです。

「うちの子はそこまではやっていない」。保護者のみなさんはそう思われるかも知れませんが、中学で発症するものも小学生の間に進行している場合がほとんどです。筋肉は中学、高校でも増やせるし、強化できます。だからこそ、身長がどんどん伸びる成長期のジュニア世代は、食からの正しい栄養素摂取によって丈夫な骨をつくることを意識すべきだと私は考えます。小学生のいま、必要なことは骨づくりなのです。

次に、骨の構造と、その形成に必要な栄養素について説明しましょう。

以前は骨折を防ぐには「骨密度が大事」と考えられていました。ですから、骨の強化に欠かせないカルシウムばかり注目が集まってきました。お子さんにせっせと牛乳を飲ませている方も多いかと思います。けれど近年、骨密度が高くても骨折することが判明。骨密度だけでなく、「骨質」の良し悪しが骨折しやすいか否かを決めることがわかってきました。骨は硬いだけでなく、しなやかさが必要なのです。

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