コラム

池上コーチの一語一得「上手くないのに上級生の試合に呼ばれる担当コーチの子ども」

2014年03月11日

池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回はお子さんのお父さんがコーチをしている現場で起こっている問題について、親御さんからの質問です。

◎自宅(ピッチ外での子育ての悩み)

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(質問者:小学6年生と3年生の保護者)

私は小6と小3の保護者です。上の子が2年生の時に入団したのでこのチームには約5年お世話になっています。小3の同級生に親コーチがいます。そのコーチの子どもは誰がみても上手い選手というわけではありません。他にたくさん上手い選手がいるのにもかかわらず、さしおいて毎回コーチの子が上級生の試合に選ばれたり、ポジションも確定しています。子どもたちはみんな、上級生の試合に呼んでもらいたいために、それを目標に日々頑張っています。うちの息子は、悔しくて悔しくて毎回泣いています。息子自身も、コーチの子がどうせ選ばれるんだという諦めモードになっています。でも日々頑張って練習すれば、いつか選ばれると信じています。
小6の兄の学年には親コーチはいなかったので、上級生の試合や選抜メンバー決めは、担当コーチが決めていて、何の問題もありませんでした。兄が6年だからもうすぐ卒団なので、私はそれをきっかけに弟を別のチームに移籍させたいと思っています。
もちろん息子の気持ちが最優先なので、息子に聞いてみたところ、「俺は違うチームには行かない!このまま辞めたら負けだ」と言われました。それから、「俺は6年になったらキャプテンになるんだ!」と。今のこのチームでは100%叶わないと思います。
6年生になって、傷つくのが目に見えています。でも親の私があれこれ言って説得するのもどうかと。子どもが目標持っているのなら、この状況でも応援すべきですか?

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ずっと担当が同じとは限らない
お子さんの意思を尊重して見守って

 答えは明快です。

「よし、わかった。頑張りなさい!」でいいと思います。

 弟さんはまだ3年生。そのお子さんが同じ学年にいるコーチがこの先ずっと担当されるかどうかはわかりません。また、そのコーチの息子さんがこの先ずっとそのように上の学年の試合に行くかどうかもわかりません。

 そもそも、上級生の試合に行って必ず上達するとは限りません。もちろんレベルの高い環境でプレーすることは大事ですが、3年生の今現在、そのことがそんなに大きな要素になるとは思えません。

 もしも、お子さん以上に親御さんの方がそのことにこだわりがあるのであれば、少し気持ちを整理してみてください。

「別のチームに移籍させたいと思っています」とありますが、親があれこれと先を予想して転ばぬ先の杖を用意するのはやめましょう。しかも、この場合、親御さんが少年団をやめさせることが、杖になるとも思えません。

「俺は違うチームには行かない!このまま辞めたら負けだ」そのように勝気な息子さんを、私はとても頼もしく感じます。子どもが目標を持っているのなら、どのような状況でも応援すべきです。お子さんの意志を尊重して、もう少し長い目でお子さんの成長を見守ってあげてください。

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プロフィール

池上 正(いけがみ・ただし)

1956年大阪生まれ。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼年代や小学生を指導。02年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。同クラブ下部組織の育成コーチを務める。03年より小学校などを巡回指導する『サッカーおとどけ隊』を開始、千葉市・市原市を中心に190カ所におよぶ保育所、幼稚園、小学校、地域クラブなどで延べ40万人の子どもたちを指導した。2010年1月にジェフを退団。同年春より「NPO法人I.K.O市原アカデミー」を設立。理事長としてスクールの運営や指導、講習会、講演をこなすかたわら、大学や専門学校等で講師を務めている。2011年より京都サンガF.C.アドバイザー、12年2月より京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターに就任。08年1月に上梓した初めての著書『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(08年・小学館)は、11年12月現在で7万部に迫るベストセラー。11年9月には指導現場で、その実践例を大公開した『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』が発売。U-12の育成に携わる指導者や保護者には必見のDVD付き書籍となっている。

近刊情報

『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』

指導者や保護者から多くの支持を得ている『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』の著者・池上正氏が普段からよく使う象徴的な言葉(フレーズ)を取りあげながら、どのように子どもと接すればいいのか、言葉をかければいいのか、子どもとの距離のとり方……子育てやサッカー指導に悩む方々の具体的な解決策として、 “オトナが守るべき10のおきて”を伝授します。

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