コラム

池上コーチの一語一得「サッカーに向いていないのではないか」

2014年04月01日

池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回は試合になかなか出られないお子さんについてお悩みの親御さんからの質問です。

◎自宅(ピッチ外での子育ての悩み)

qicon
(質問者:小学3年生の保護者)

4月から3年生になる息子ですが、2年間少年団、スクール、月2回のフットサルに通っても、練習や試合で、積極的に動けません。人の後ろをついて走ったり、途中でボールを追いかけるのを止めてしまいます。奮起してほしくて「この試合がんばったらおいしいもの食べに行こう」と言うときだけ、少し積極的になり、シュートを決めたこともありました。それでも家で自分から練習することもないので、サッカーが好きなのか何回も尋ねましたが、それでも本人はサッカーが好きだと言います。
先日は自分のノートに「サッカー選手になりたい!」と書かれてあり、送迎も含めて私も頑張るつもりですが、主人はこれだけ習っても試合に出させてもらえないし、いつまでたっても下手なのだからサッカーをあきらめて、他のことをさせろと言うようになりました。また、どうせ運動神経がないんだから何をやらせてもだめだとも言われ、私は、まだどこで伸びるかわからない、本人がやりたいと言っているうちは応援するのが親だと、その場では言い返したのですが、やっぱりサッカーには向いてないのかなと感じる今日この頃です。
仲のいい友達がいるから、辞めたくないって言っているだけなのかなと思うところもあります。私も普段仕事していて、息子が試合に出るのを楽しみに、休みは朝早くから頑張って試合に連れていっていましたが、あまりにも出番が少ないので、私も息子も試合に来る意味があるのか?と。いつでも辞めていい存在なのかとも思ってしまいます。
なかなかうまくならない場合、見切りはいつ頃か、考えたほうがいいのでしょうか? 周りの方は「今からだよ!まだまだ先がある!」と言ってくれますが、やっぱり下手な子、やる気がなかなか自分から出せない子は、何年やっても無駄なのでしょうか?

qicon
子どもの意志を尊重して。
好きならいつか変わるかもしれません

「送迎も含めて私も頑張るつもり」とあるので、練習する場所が遠方なのでしょうか。試合も練習も子どもが勝手に自分で「行ってきます!」と行けるところなら、ここまで徒労感を抱くこともないのでしょうが、なかなか結果が出ないと「ここまでやっているのに」と焦りも出てきますね。

 ただ、お子さんが「サッカーが好き」と言っているのであれば、いつか変わるかもしれません。「仲のいい友達がいるから、辞めたくないって言っているだけなのかも」とありますが、最初はそうでも変わるかもしれない。「本当はサッカー好きじゃないんでしょ?」などと言っては、子どもは何を言っても親に信じてもらえないと感じるので信頼を得られなくなります。ここはもう少し黙って見守ってあげませんか?

「これだけ習っても試合に出させてもらえない、いつまでたっても下手なのだからサッカーを諦めて、他のことをさせろ」お父さんの言葉からすると、一度サッカーをやめるともう二度と戻って来れない感じですね。サッカーのみに執着する必要はありません。でも、執着するかしないかを決めるのは子どもですね。

子どもは「サッカーが好き。続けたい」と言っている。でも、親は「上手にならないならやめなさい」という。それは違うと私は思います。例えば、「サッカー」を「勉強」に置き換えてみればわかりますね。

 とはいえ、「あまりにも出番が少ないので、私も息子も試合に来る意味があるのか?と思う」という気持ちは理解できます。本来なら、選手や保護者にそのように感じさせてはいけない。みんなを試合に出して楽しくサッカーができるようにすべきなのですが……。

 ご夫婦で意見も分かれているようですが、お子さんの意志を尊重してください。お父さんと一緒に、「どうしたら上手くなれるかな」と子どもに尋ねて、何か「こうしたい」ということがあれば、「じゃあ、一緒にやってみようか」「付き合うよ」という親になってほしいと願います。

池上さんコラム

プロフィール

池上 正(いけがみ・ただし)

1956年大阪生まれ。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼年代や小学生を指導。02年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。同クラブ下部組織の育成コーチを務める。03年より小学校などを巡回指導する『サッカーおとどけ隊』を開始、千葉市・市原市を中心に190カ所におよぶ保育所、幼稚園、小学校、地域クラブなどで延べ40万人の子どもたちを指導した。2010年1月にジェフを退団。同年春より「NPO法人I.K.O市原アカデミー」を設立。理事長としてスクールの運営や指導、講習会、講演をこなすかたわら、大学や専門学校等で講師を務めている。2011年より京都サンガF.C.アドバイザー、12年2月より京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターに就任。08年1月に上梓した初めての著書『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(08年・小学館)は、11年12月現在で7万部に迫るベストセラー。11年9月には指導現場で、その実践例を大公開した『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』が発売。U-12の育成に携わる指導者や保護者には必見のDVD付き書籍となっている。

近刊情報

『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』

指導者や保護者から多くの支持を得ている『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』の著者・池上正氏が普段からよく使う象徴的な言葉(フレーズ)を取りあげながら、どのように子どもと接すればいいのか、言葉をかければいいのか、子どもとの距離のとり方……子育てやサッカー指導に悩む方々の具体的な解決策として、 “オトナが守るべき10のおきて”を伝授します。

カテゴリ別新着記事

GA-300×80


school_01 都道府県別サッカースクール一覧
体験入学でスクールを選ぼう!

おすすめ記事


Twitter Facebook

チームリンク