判断力を磨くためのアプローチとは? 常に刺激を与えるドイツ式トレーニング法
2015年02月18日
サッカー練習メニューブラジルワールドカップでのドイツ代表の優勝、グアルディオラ監督が率いるバイエルン・ミュンヘンの存在感。近年、世界のサッカーシーンでトップクラスの実力を見せるドイツのサッカー。そのドイツのサッカーを支える要因のひとつとして挙げられるのが『判断力向上』だ。その判断力の向上について、ドイツでは様々な視点から分析されている。そこで、ドイツの育成現場に立つ中野氏にその実状をレポートしてもらった。
(構成●木之下潤 文●中野吉之伴 写真●Getty Images)
『ジュニアサッカーを応援しよう! vol.33』P56-61より一部転載
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技術・フィジカル・戦術・精神力、この全てを結ぶ『判断力』
サッカー選手に必要なものは『技術・フィジカル・戦術・精神力』でしょうか。ボールを思い通りにコントロールできなければ蹴り合いになってしまいますし、ピッチをあちこちに走り回るのでスタミナは大事です。相手より足が速ければそれだけで武器になります。
もちろん、状況に応じたプレーを選択するために戦術を知ることは欠かせません。試合になればどちらも勝ちたいわけですから先制点を奪った後に油断しないでいられるか、失点してもくじけずに自分たちのプレーをできるか、そういう心構えも重要でしょう。それでは、これらの要素を結び付ける力とは何だと思いますか?
絶えず、攻守が入れ替わるのがサッカーです。攻めながらも守備をおろそかにするわけにはいきませんし、守りながらも次の攻撃を狙い続けなければなりません。
状況を認識し、起こりうることを予測し、最適とされる決断を選手自身が自主的に行うことが大切です。つまり、判断力がいつスピードアップするのか、どこにボールを運ぶべきか。今攻め上がるべきか、ステイすべきか。カウンターを狙うべきか、ボールをキープするべきか。ドリブル勝負を狙うべきか、パスを出すべきか。
練習では、こうした『判断力』を鍛えることを常に考えなくてはならないのです。
判断力をトレーニングするとは、具体的にどういうことでしょうか。ドイツでは、「状況に応じた選択ができるように戦術理解を深めさせ、その判断スピードを上げること」と解釈されています。
試合で起こりうる状況で練習をし、コミニュケーションをはかりながら選手に選択肢とその優先順位を整理させる。それを繰り返す中で、判断スピードをアップできるように働きかけていきます。
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