湘南で南米と欧州の“育成型”クラブが真剣勝負!! 圧倒的な強さを見せたパルメイラスが大会2連覇を達成/決勝レポート
2017年06月26日
2017 COPA BELLMARE U-116月24日(土)から25日(日)の2日間にわたり、『2017 COPA BELLMARE U-11 PILOT INTERNATIONAL TOURNAMENT』が馬入ふれあい公園サッカー場(神奈川県平塚市)にて開催された。本大会はベルマーレ平塚が湘南ベルマーレへと移行した年から16年間続いた『湘南ベルマーレホームタウンカップ』が昨年度から国際大会となったもので、湘南ベルマーレのホームタウンからの8つのトレセンチームをはじめとする国内外24チームが参加した。
(文・写真●山本浩之)
パルメイラスが大会2連覇を達成!!
大会2日目は、あいにくの空模様だったが、午後3時過ぎのSEパルメイラスとビジャレアルCFによる決勝を迎える頃には雨もあがってきた。パルメイラスはブラジルのサンパウロに本拠を置き、クラブの設立が1914年という古豪。対するビジャレアルCFはスペインのバレンシアで1923年に創設されたクラブだ。
試合は前半からパルメイラスのペースで進み、11番・ENDRICKくんの先制点を皮切りに10番・LUISくんが続く。前半終了間際にビジャレアルはペナルティキックを獲得し1点差に迫るが、後半になって、パルメイラスは5番・VITORくんの放ったシュートが相手ゴールキーパーの手を弾いてゴールインすると、再び11番・ENDRICKくんがゴールネットを揺らした。
防戦一方となったビジャレアルだが、スピードのあるドリブルが際立っていたパルメイラスに対して、最後まで粘り強く走り続け、ボール奪取に対する気迫のあるプレーをみせていた。
結局、試合は4-1でパルメイラスがリードしたまま、主審がタイムアップのホイッスルを吹き鳴らした。すると、勝利の喜びを爆発させるパルメイラスのメンバーと健闘を称えるビジャレアルのメンバー、そして、これまでタッチライン沿いで両チームの戦いぶりにエールを送っていた参加チームの子どもたちも一緒になって、ピッチ上にはたくさんの子どもたちの笑顔と歓声の輪が広がっていった。
閉会式では『2017 COPA BELLMARE U-11 PILOT INTERNATIONAL TOURNAMENT』大会実行委員会の浮島敏氏(湘南ベルマーレフットボールアカデミーダイレクター)から「今大会はワールドカップで優勝経験のある両国(ブラジルとスペイン)から育成のトップクラブに来ていただきました。決勝では、その国に行かなければ肌で感じることのできない、そして目で見ることのできないゲームを見ることができたと思います。これから自分のチームに戻ったら、このレベルを基準にして、がんばってください」とエールが送られた。
きっと、この思いは、すでに参加した子どもたちに届いているのではないだろうか。それは、準決勝でビジャレアルと対戦した伊勢原トレセンの大山叶翔くんのこのような言葉からも知ることができるからだ。
「海外の選手はボールを持つ技術や体の使い方がとても上手かったです。日本の選手とは違うように感じました。この大会で、僕は積極的にシュートを打つことができたのは良かったのですが、蹴ったボールが相手に当たってしまうことが多かったので、そういう慌てたプレーがないようにしていきたいです。海外のチームと対戦して通用したことと通用しなかったことが分かったので、それを次につなげようと思いました」
海外のトップレベルのクラブと対戦して、自分のいまの実力を知ることができたのは、今後の指針として大きな収穫となったことだろう。
■優勝:パルメイラス・アレモン (Alemão)監督のコメント
去年と今年で2度目の来日となりますが、コパベルマーレの参加チームは、昨年度よりも全体的にレベルが高くなっていました。日本のサッカーが成長していると自分は感じました。今大会で優勝するのはとても難しかったです。
日本とブラジルの少年サッカーの育成に対する考え方には文化が違うということもありますね。日本のように、しっかりときちんと教育をするということもサッカーでは大事ですが、サッカーは子どもたちが自分で「どうしたい」のか「どういうプレーをしたい」のか考えてプレーをすることがすごく大事です。
ブラジルは競争社会なので、選手(子ども)によっては、いま所属しているチームではサッカーが続けられなくなって、違うチームに移らなければいけないようなこともあります。このような厳しいプロの世界を小さい年代の頃からずっと経験することで、彼らを大人にしていきます。しかし、そのような環境の中でも、次に入ったクラブでは成功を手にするかもしれない。いくらでも可能性があるわけです。だから選手自身は、そのときそのときで間違いなくサッカーを楽しむことはできるのです。
これは全てのブラジル人指導者の考えではありませんが、自分の考え方としては、子どもたちには「勇気・姿勢・自由」を日々接しながら提供していくことが彼らを成長させるためのポイントだと思っています。子どもたちと接するときには、トレーニングの内容以前に、この3つを大事にしています。
そして、少年サッカーでは保護者のサポートは不可欠です。子どもには、いろいろな才能がありますが、子どもがサッカーをプレーしたいというのであれば、その環境を一生懸命に提供してあげてください。選手が落ち着いて、安定したプレーをするには家族のサポートがすごく大事なのです。子どもは失敗を重ねて成長するので、保護者からは、ああしろ、こうしろというのはよくないと個人的には思います。のびのびと自由にサッカーを楽しませて、それをサポートしてあげてください。
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