チーム動画紹介第77回「江東FC」
2010年03月02日
未分類ひとつの得意技が自信へと繋がる
今回は東京都江東区で活動する江東FCの練習にお邪魔して、4年生チームを指導する田村純一コーチにお話を伺いました。
「江東FC」ってどんなチームですか?
江東FCは、FC城東とFC東陽からの選抜チームとして組織されています。普段は、それぞれが所属しているチームで活動をし、東京都サッカー連盟が主催している大会では、江東FCという選抜チームに集まり、第2ブロック(江東区、葛飾区、江戸川区)から出場しています。メンバーは両チームから選ばれた16名で構成されています。選考会を開催するのではなく、その時々の優秀選手をセレクトすることで、子どもたちが切磋琢磨するようにしています。
なぜ、選抜チームという運営形態をとっているのですか?
江東FCはもともと単独のチームで、1981年に設立された江東区では最も歴史の古いチーム。現在の江東FCは、FC城東とFC東陽からの選抜チームとして活動しています。選抜チームとなった経緯として、この界隈でのマンションの建設ラッシュがあります。児童数も増加し、近隣に小学校も新設され、その結果、江東FCの団員も500名規模に膨れ上がりました。これだけ大所帯になると、今度は人数制限のある公式戦に出場できない子どももいます。そこで、子どもたちの通学する小学校ごとに、それぞれが独立したサッカーチームを設立し、江東FCは選抜チームとして存続することになったのです。
江東FCの指導方針を教えてください。
練習では、「遊ぶときは遊んで、集中するときは集中する!」という方針です。2時間以上もの練習時間のあいだ、ずっと集中してサッカーに取り組むことは困難です。例えば、順番待ちをしている時に「チームメートのプレーを見ていろ!」と無理強いをしないのは、常に緊張感ばかりあっては、自分の出番の頃には疲弊してしまうからです。自分のやらなければならない「ここぞ、というときに集中力が発揮できること」が重要だと考えています。
試合については、たくさん経験して、勝利に拘って欲しいと思っています。私自身も、子どもの頃からサッカーをやっていたのですが、当時所属していたチームは負けたという記憶のないくらい強いチームでした。そのときに「勝つことって、楽しいことなんだ!」とサッカーの試合に勝つことによって得られる喜びを体感することができました。その思いを江東FCの子どもたちにも味わってもらいたいですね。
4年生といえば、低学年から高学年へと移り変わっていく学年ですが、指導していて感じることはありますか?
3年生までは、遊びの延長のように、みんなでわいわいと楽しくサッカーをやっていても、4年生になると、子どもたちにレベルの差がでてきます。ある一部の子どもたちだけが、凄く伸びてくるのです。なぜかというと、その子たちは「サッカーがうまくなりたい!」という気持ちから、チームの練習がある土日以外にも、放課後の遊び時間を使って練習に取り組むようになるからです。この時期から自主性が芽生えてくるようです。
ジュニア年代のサッカーでは、長所を伸ばすことと短所を改めること、どちらが大切なのでしょうか?
「苦手なことと得意なことのどちらを練習するべきか?」と迷っているとしたら、得意なことに磨きをかけてもらいたいと思っています。例えば、トラップは上手くないけれどヘディングの強い選手ならば、ヘディングを強化したほうが試合で活躍することができます。ヘディングが武器になるからです。得意技を身につけたことは自信となって、苦手なことに立ち向かう勇気をも身につけさせてくれることでしょう。
これからの目標を教えてください。
江東FCとしては、第2ブロックの予選を勝ち上がって、東京都の中央大会への出場を目指します。個人的には、トレセンのコーチをやってみたいですね。試合をたくさん視察して、例えテクニックは荒削りでも、実戦を戦い抜くことのできる試合勘のある選手を発掘してみたいですね。
編集部コメント
江東FCのユニークな練習方法は、田村コーチが高校サッカー部時代に経験した「自主管理サッカー」という、自分たちで練習を考えるスタイルから培われているそうです。「どうせ練習をするのなら楽しくやろう!」という信念で、当時副キャプテンだった田村コーチは、日々色々な練習方法を編みだしたそうです。これらの練習の成果は、練習終盤のミニゲームで確認することができました。しっかりとヘッドアップをして周りの見えたプレーをしていた子どもたちの姿が目立っていたのです。カラー鉢巻をビブスの代わりに使った練習の効能なのでしょうね。一見、奇抜に思える練習方法も体感した子どもたちが指導者になったときに、新スタンダードとなって次世代の子どもたちへと受け継がれていくことでしょう。
(文・写真●山本 浩之)
カテゴリ別新着記事
ニュース
- 「2024ナショナルトレセンU-14(後期)」参加メンバー発表!2024.11.14
- 「Jヴィレッジチャレンジ 2024 powered by シント=トロイデンVV」が開催!2024.11.14
- U-19日本代表、メキシコ遠征参加メンバー発表。湘南ベルマーレ・石井久継も選出で10番を背負う!2024.11.08
- 「U-16日本代表候補 国内トレーニングキャンプ」参加メンバー発表!2024.11.07
フットボール最新ニュース
- 近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.24
- 「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.24
- 【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.24
- リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.24
- 前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.24
大会情報
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 大阪大会】フォトギャラリー2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2024.03.09
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 愛知大会】フォトギャラリー2024.03.09
お知らせ
人気記事ランキング
- 「2024ナショナルトレセンU-14(後期)」参加メンバー発表!
- 「2023ナショナルトレセンU-13(後期)」参加メンバー発表!【東日本】
- 関東選抜メンバー発表!【関東トレセン交流戦U-15】
- かつて“怪物”と呼ばれた少年。耳を傾けたい先人の言葉
- 「2023ナショナルトレセンU-13 関東」参加メンバー発表!
- ビルドアップ能力を自然に高めるスモールサイドゲーム。スペインで行われるトレーニングデザインとその意図とは
- 「もも上げクランチ」でキック力を鍛える!/【サッカー専用】小学生のための体幹トレ
- 「JFA 第42回全日本U-12サッカー選手権大会」で輝いた8人の選手たち/ジュニサカMIP
- 「フットサルって足下がうまくなりますよね」。それだけじゃないメリット “重要な決断” が繰り返される価値とは【8月特集】
- すぐに「痛い」と言い出す息子…。