子どもがサッカーを楽しむために親にできること・チームにできること

2013年07月11日

コラム

親も一緒に運営&プレー! サッカーの楽しさ・難しさを共有

――チームの方針をなかなか保護者にわかってもらえない場合もあると思いますが。

 現在ジュニアチームには約140人の子どもが所属しています。人数が多いのでとにかく保護者の方ともコミュニケーションをしっかり取るようにしていますね。

 3カ月に1度くらいは保護者に声がけして練習の後、今年の指導方針や選手の選抜基準を伝えています。お父さんたちには極力コーチとして一緒に参加してもらうようにして、一緒に指導しながらコミュニケーションをとっています。

 保護者の気持ちとしては「なんでうちの子は選ばれないの?」という不満が一番よくあるものだと思います。それぞれ学年のヘッドコーチが選抜基準をはっきりさせて、公式戦に出場できなかった選手には招待大会でスタメン出場してもらうなど、すべての子に機会を均等に作るようにしています。

――子どもに指示を出したり、レフリーに文句を言う親にはどう対処していますか?

 何かを言うより、一緒にやってもらえばいいんです。どうしても試合で大声を出してしまうお母さんがいたら、一度、親子サッカーに出てもらう。そうするといきなり静かになりますよ。自分がやってみたらできないから(笑)。チームとして親子サッカー大会を積極的に開催しています。

 川崎ウィングスでは、コーチ登録しているお父さんが70人います。子どもが卒団しても、指導を続けているという人も多い。コーチに入るお父さんには、審判4級をとってもらうことになっています。そうすると、審判ってこんなに大変なものなんだ、とわかるんですよ。チームには今や、4級審判40名、うち3級審判5名。審判部を作って研修会も行っています。

 審判に、コート作りなどの運営もやり、お母さんも巻き込んでみんなでプレーもする。そうすると、サッカーに関わるすべてのことって、やってみれば大変だよね、ということがわかる。すべてのことをチームの中でシェアするようにしています。

――お父さんコーチにも賛否両論はあります。疑問を持つ保護者はいませんか?

 ピッチに父兄がたくさん入っていることは、良い面もあれば悪い面もあるかもしれません。けれど、川崎ウィングスでは、親子でサッカーを楽しもうというチームの理念を最初に伝えています。大会で優勝したいとか、代表を目指したいなら、他のチームを選ぶほうがいいのかもしれません。

 でも、親子で和気あいあい楽しくやっているから弱いのかといったら、実はそうじゃなかったりします。市の大会では予選を勝ち抜く力を持っていますし、なでしこジャパンの宇津木瑠美(モンペリエHSC)、田中美南(日テレ・ ベレーザ)といった日本代表選手もウィングス出身なんですよ。

――親子で楽しくをモットーにしながら結果も残しているのが素晴らしいですね。

 やっぱりサッカーは、楽しくなければ続かない。川崎ウィングスでは途中でサッカーを辞める子は少なく、長く続けている子が多いんですよ。今後は中学生のチームを作ろうと考えています。チームの子どもたちがお父さんコーチになって戻ってきて、自分はおじいさんになってそれを見ている…それが夢ですね。

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