日本、そして世界各国を見てきた指導者が語る育成現場に必要なこととは? 多くの子どもたちと指導者を育てた「クーバー・コーチング」のメソッドに迫る

2013年10月15日

コラム

日本サッカー発展のカギは施設と指導者の質の向上

今回の来日では指導者講習会などを行いましたが、現在の日本の育成現場にはどのような印象を持ちましたか?

まず、若年層の育成には2つのパートがあると思っています。1つはグラスルーツと呼ばれるカテゴリーで、そこでは子どもたちがサッカーを楽しむことが大きな目的となっています。日本では全国のクーバーのスクールを通じて、のべ2万人以上が活動をしており、彼らはこのグラスルーツになります。

そしてもう一つがエリートと呼ばれるカテゴリーで、将来、プロのチームに行く可能性を持った子どもたちです。もちろんその割合は少ないのですが、ここで話したいのは、私が最初に日本へ来た時はJリーグが開幕したばかりで、プロの下部組織として選手を育てるという意識が全く根付いてない状態でした。そう考えるとこの20年間で日本がここまで成長したというのは驚きに値しますね。さらにグラスルーツの質が向上すればするほど、より多くのエリート選手を輩出することができるようになると思います。

このグラスルーツの裾野を広げるには施設、サッカーができる場所を増やすことが大切です。そういった意味でもスクールを100カ所以上展開し、サッカーを学ぶ場を提供しているクーバーは、日本のサッカーに大きく貢献できていると思います。

そして、もう一つクーバーが日本のサッカーの発展に貢献したのは、指導者の育成だと思います。手前味噌ですが、クーバーのアカデミーでは過去約250人のプロのコーチを輩出してきました。20年前に比べ、コーチを職業とする人がすごく増えましたね。我々が行っているような指導者の育成は、20年前はごくわずかでしたが、今はあらゆるところで講習会などが行われるようになり、指導者の質が上がっています。それが日本サッカーの発展に大きな影響を与えています。

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