中学生から本格的に始めたGKという世界。日本の守護神・川島永嗣選手が語る、自身の半生とは?

2014年06月19日

インタビュー

原点は『ボールを蹴るときの楽しさやシュートを止める喜び』

――ちなみに今までにサッカーを辞めようと思ったことはあるんですか?

 サッカー自体を辞めようと思ったことは一度もないですね。中学校のときに、ささいなことでケガをしたときに先生から叱られて、チームを辞めようと思ったことはありましたが、それも他のクラブチームに行こうかなと思っただけでしたから。やっぱりサッカーが好きなんですよね。やっているときは嫌なことも全部忘れられますし。それは今でも変わらないです。

――改めて自分がプロになれた理由はどこにあると考えていますか?

 まず周りと自分を冷静に見て、自分に何ができて、何ができないのか。自分のどこが長所で、どういうことが短所なのかということをしっかり自分で考えられたからですかね。

――具体的なエピソードはありますか?

 僕はもともとプロを目標にしていましたが、高校時代に現実的に難しいのかなと思ったこともありました。高校3年生の春先の大宮アルディージャでの練習参加をはじめ、浦和レッズや大学の練習に参加させてもらった際に、プロの厳しさを目の当たりにしたんです。でも、その中で自分の良さを伸ばすにはどうすればいいのか。どこを修正すれば自分のパフォーマンスが上がるのかを落ち着いて考えていましたね。ちょうどその頃、大宮からのオファーがありました。1チームだけだったら親や先生からも「大学に行ってサッカーをした方がいいんじゃないか」と言われていたんです。ただ、自分は小さい頃から高校を卒業したらプロに入るんだと考えていて、そのときもやはりプロに行くために他の同年代の選手に比べて何ができて何ができないのか。自分の強みはどこなのかを冷静に考えながら目標をもって練習に取り組みました。そうした中で出場した高3の国体でいいプレーができて、いくつか興味をもってくれるチームが出てきたんです。それで両親と先生の課題をクリアできて、プロに行けることになりました。それがなかったら大学に行っていたかもしれませんね。

――Jリーグで活躍し、日本代表でもプレーしてきた川島選手にとって、サッカーの面白さとは?

 いろんな楽しみがあると思うんですよ。レベルが上がれば戦術的な面白さが出てきますし、もちろんテクニックの面でも楽しさはあります。でも僕自身はプロでやっていても常に『ボールを蹴るときの楽しさやシュートを止める喜び』が原点にあります。皆さんにもそうした自分がサッカーを始めるきっかけとなった大切な思いを常にもちつづけてほしい。だんだんレベルが高くなって自分が通用しなくなって、時には思うようにならない時期も来るかもしれません。そういうときこそ、原点を思い出してプレーしてもらえればと思います。


プロフィール
川島永嗣
(かわしま・えいじ)

 1983年3月20日生まれ。185センチ・80キロ。抜群の安定感を誇りゴールを死守する日本代表の絶対的守護神。川崎フロンターレ所属時代の2009年にはベストイレブン、フェアプレー賞を受賞した。10代の頃から各カテゴリー別日本代表を経験し、2007年に初めてA代表に選ばれた。2010年6月に行われた南アフリカW杯でもメンバー入りし、直前のテストマッチであるイングランド戦で好パフォーマンスを見せて、日本代表の正GKの座を獲得。全4試合にフル出場するなど、日本のグループリーグ突破に大きく貢献。大会終了後、ベルギー1部リーグのリールセへ移籍。その後、2012年にベルギー1部リーグのスタンダール・リエージュに移籍し、2014年のブラジルW杯の日本代表メンバーに選出される。


 

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