恩師クルピだけが知っている 4年前の代表落選で見た香川真司選手の人間性とは?

2014年06月19日

コラム

成長するために、ビッグクラブでのプレーを選択

 2009年末にブンデスリーガのドルトムントが真司に興味を示していると聞いたとき、私は「監督の立場としては、セレッソに残ってほしい。しかし、君の将来を考えると、移籍はプラスになる」と真司に伝えた。

 彼は、やや複雑な表情を浮かべて頷いたと記憶している。

 言うまでもなく、真司のような主力選手が退団するのは、チームにとって大きな痛手だ。

 しかし、選手が成長するためには、より高いレベルで、異なるタイプの選手と一緒にプレーし、あるいは対戦するのが望ましい。そうでないと、選手は従来の環境に安住してしまい、やがて停滞期を迎えかねない。

 それでは、本人にとってもクラブにとってもよくない。そして、そうなってから再び成長曲線に乗るのは決して容易ではない。だから、選手の成長段階に応じて、周囲は彼にふさわしいステージを用意してやる必要がある。

 また、私は真司が欧州ビッグクラブでの活躍を夢見ていることを知っていた。

 私にとって選手は自分の息子も同然であり、親が子供の夢をかなえてやりたいと考えるのは当然のことだ。

 ドイツのような伝統国の、それもドルトムントのようなビッグクラブでプレーするチャンスは、誰にでも与えられるわけではない。

 だからこそ、セレッソにとって大きな戦力減となることは百も承知した上で、「本人にとって移籍がベストの選択だろうし、長い目で見ればセレッソにとってもプラスになる」と考えたのである。


プロフィール
レヴィー・クルピ

1953年2月28日生まれ。ブラジル・パラナ州・クリチバ出身。名門クラブであるアトレチコ・ミネイロやクルゼイロECなどの監督を歴任。1997年にセレッソ大阪の指揮を執り、一度チームを離れるが2007年に新たに就任して近年のセレッソ大阪の躍進を支える若手選手を育成。現日本代表でもある柿谷曜一朗選手、山口蛍選手、海外で活躍する香川真司選手、清武弘嗣選手などがいる。2013年シーズン終了後に契約満了により退任。現在は以前監督を務めたアトレチコ・ミネイロで指揮を執る。


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香川真司、柿谷曜一朗、清武弘嗣、山口蛍ら数々の若手選手を育てたセレッソ大阪前監督『レヴィ―・クルピ』。名将が語る「若き才能の磨き方」。サッカーの指導者だけでなく、指導的立場にあるビジネスマンや若者に向けた指南本。

 


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