指揮官不在で優勝果たした星稜に学ぶ 「自分で考える」ことの重要性

2015年01月15日

コラム

2015年1月12日、石川県の星稜高校が高校サッカー選手権初優勝を果たした。大会前に河崎護監督が交通事故で入院を余儀なくされ、指揮官不在で選手権に挑んだ星稜高校。そんな逆境のなかで悲願の初優勝を果たせた理由はどこにあったのか。

文●元川悦子 写真●佐藤博之

『高校サッカー監督術』P136-162より一部転載


人間教育こそ指導者の大事な仕事

 河崎監督はとりわけサッカー指導者の枠を超えた人間教育に強いこだわりを持っている。特に強調しているのが、「気配りのできる人間になれ」ということだ。

 「今の時代は鈍感な人間が多すぎます。ボールを蹴る、止めるを教えることももちろん大事だけど、世の中や人のためになることを習慣化させることも、指導者の大事な仕事じゃないかと思いますね」

 指揮官は生活の基本にはかなり細かい。部室が汚かったり、道具の管理がいい加減だと、練習を休んで何時間も掃除や手入れをさせ、グラウンドにゴミがあれば「それを拾い終わるまでは練習させん」と厳しく指導する。

 選手のあいさつの声が小さいと「お前ら声が出てないぞ」と注意し、「野球部員は、まず止まってニッコリと会釈し『おはようございます』と大きな声で言う。お前らも見習いなさい」とアドバイスするのだ。

 数年前のサニックス杯(春の福岡フェスティバル)で、礼儀正さや行動の迅速さ、ピッチ上でのファウルの少なさなどを評する「グッドマナーチーム賞」に目をつけた河崎監督が「俺らはこれを取りに行くぞ」と選手にハッパをかけたというエピソードは、指揮官のキャラクターをよく表している。

 試合に勝つことも大事だが、迅速かつ礼儀正しい行動を常に心がけることが、選手たちの成長につながるということだろう。

20150112前橋育英v星稜1773のコピー

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