4種(小学生年代)で本格化するリーグ戦がもたらすものとは?

2015年03月23日

コラム
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勝ち星にこだわるとリーグ戦のメリットが消えてしまう

 一方で、今年度のリーグ戦について、「全少(全日本少年サッカー大会)の地域予選にリーグ戦の結果を反映させる」ことを懸念する声も聞かれた。

 参加チームの少ない地域では、リーグ戦の上位チームにシード権を与えるだけで、リーグ戦に参加さえしていれば、どのチームでも全日本少年サッカー大会の予選に出場できるところが多い。

 しかし、参加チームが多い地域では、年間のリーグ戦が4月から10月まで組まれてしまうと、全日本少年サッカー大会の開幕までのわずかな期間に、改めて全チームを対象としたトーナメントで代表チームを決める余裕がなくなるだけに、リーグ戦での順位を反映せざるを得ない。

 そうなると、リーグ戦の結果次第では予選に参加できなくなるため、リーグ戦で、強い相手には得失点差の開かないように、また同等か格下の相手に対しては取りこぼしのないように固定メンバーで戦い、出場枠の確保に奔走するチームがでてくるのではないかという意見だ。

 本来の狙いは、たくさんの選手に経験を積ませる機会を提供するはずなのに、現実はかえって出場人数が少なくなってしまうケースも考えられ、リーグ戦の良さが消されてしまうと指摘する声があがっている。

 町田市サッカー協会の役員も務めるFC芹ヶ谷東京(東京都町田市)の友井徹代表は「たしかに、全日本少年サッカー大会は、学年が上がって競技志向が強くなってきた子どもたちにとっては目指したい大会となるでしょう。教え子に全国の舞台を経験させてあげたいという指導者の気持ちや大人の欲がエスカレートして、勝つことにこだわるチームもでてくるかもしれません」と感じている。

 ボランティアのコーチが中心となって指導しているFC芹ヶ谷東京にとっても、全日本少年サッカー大会はチームの目標となるビッグイベントのひとつになっているが、「もちろん、私たちは決して勝利至上主義にはなりません。勝ち負けよりも重要なのは、すべての子どもたちが平等に試合に出場することだと考えているからです」と話す。そのための工夫として、全少の予選に出場する時間の少なかった選手は別の公式戦に優先して出場できるような考慮を以前から続けてきたチームだ。

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