子どもが集中して練習に取り組むには「興味がそそられるかどうか」が重要! ドイツ育成メソッドに学ぶ「年代別トレーニング」【小学1・2年生編】
2016年07月14日
サッカー練習メニュー【小学1・2年生編】シュートトライアル
ピッチ:15m×15m 人数:1チーム5人 ゴール:あり
■メニュー説明
5分間でどのチームが一番ゴールを決められるか(チーム対抗戦)
STEP1
・Aは障害物を超えてボールを拾う
STEP2
・Aがコーンの間を通してBにパス
STEP3
・Bはボールを止めたら運び、コーンの間を通してシュート
STEP4
・ゴールが入ったらCがボールを『宝物エリア』へ
■トレーニングで強調したい要素
【① ボールを止めて運ぶ】
まず、ボールを「止める」ことが大事。足先で止めに行かず、体をボールの近くに移し、ボールが後ろにこぼれないように足で壁を作り、体のすぐ近くにボールを止める。近くにボールを止めることで、すぐに他の動きができることを知るのがファーストステップだ。そして、徐々に「どのくらい足の力を抜くと思いどおりに止められるか」を覚えていこう。
【② パス】
パスの第一歩は「味方がいるところにボールを届けること」。まずは、1番やりやすいキックで構わない。「パスの基本はインサイドキック」と血眼になって強制する必要はない。ドイツの子どもが最初に学ぶキックはインステップキック。ある程度、蹴ることに慣れてきたらインサイドキックに挑戦する。なぜなら、そうしないと「なぜその方がいいのかがわからない」からだ。
【③ シュート】
ゴールに向けてボールを蹴り込むのがシュートの目的であり、この技術がないと勝敗を左右するゴールにまでたどり着かない。力強く、正確なシュートが打てるようになるために大事なのは「踏み込まない」こと。踏み込むとせっかく走り込んだスピードがそこで消えてしまう。ボールの真ん中に足を運んですべてのパワーをぶつけ、そのまま押し出すイメージで振り抜く。
【④ コーディネーション】
さまざまな課題に対し、体を円滑に動かす。雑にやるのはよくはないが、「一つやって、次はなんだっけ?」と区切らせるよりもある程度は「次はパス」といった声掛けで助けてあげて、できるだけ連続した動作が行えるように取り組ませるのがとても大切だ。慣れてきたら声掛け役をコーチではなく、子どもたちが交代でやるのも勉強になる一つの手段だ。
■指導する時に注意すべきこと
「シュート」「パス」「ボールを止めて運ぶ」。技術に関する言葉で、細かい指示を送るのは子どもたちを悩まし、混乱させるだけだ。説明する時間も長くなる。だから、一番いいのは指導者自身が理想の形をデモンストレーションで見せること。もし完璧にできる自信がなければ、チーム内でうまい子に代表でやってもらうのがいい。
デザインポイント1
■トレーニングに盛り込むべき5大要素
トレーニングにはサッカー選手に必要な基本5大要素(技術・戦術・フィジカル・メンタル・思考力)が包括されなければならない。ただし、それぞれの練習メニューにより強調ポイントがあり、そこに焦点をしぼる。
【技術】(パス)
パスは「味方にボールを渡す」という行為。渡すボールがどこかに行ってしまったり、敵に取られて嫌な思いをするはパスを出した本人だ。だからこそ、「味方がそのボールを扱いやすいように受ける」には、どうしたらいいのかを考えられるように指導者は導きたいところ。
【思考力】(チームメイトの認知)
「仲間と一緒にプレーをする」。このことを当たり前に認識していると捉えるのは危険だ。1・2年生の間は「一緒にプレーするんだな」と曖昧に把握できても「仲間」という存在をしっかり認知できるようになるには個人差がある。共通目標を「一緒に成功させた」という喜びでそれを認識できるようにさせたい。
【フィジカル】(コーディネーション)
「動き」をイメージどおりにできることと並行し、それぞれの動作を連続して行えるようになることが大切だ。このトレーニングでは、簡単な形で「ドリブル」「パス」「ボールを止めて運ぶ」「シュート」というプレーに触れ合える。それらを連続して行うことを優先し、細かい動きのミスには多少目をつぶろう。
【メンタル】(チームモチベーション)
サッカーはチームスポーツだ。一人だけが「心燃える」状態でも他の選手と一緒にプレーできないと、結局は本人が困る。目標に向けて「それぞれが何をやらないとうまくいかないか」を知り、うまくいくためにはお互いにどのように支え合い、声を掛け合うのが大切かに気づかせることが必要だ。
デザインポイント2
■小学校1・2年生で習得すべき要素
【技術的要素】
・ドリブル
・フェイント
・パス
・シュート
・ボールを止めて運ぶ
【戦術的要素】
・1対1の基本
【フィジカル的要素】
・スピード
・コーディネーション
<関連リンク>
・ジュニア世代は成功体験を! ドイツ育成メソッドに学ぶ「年代別トレーニング」【幼稚園児編】

【商品名】
世界王者ドイツの育成メソッドに学ぶ
サッカー年代別トレーニングの教科書
【発行】
株式会社カンゼン
【著者】
中野吉之伴(ドイツサッカー連盟公認A級ライセンス保持者)
1977年7月27日生まれ。秋田県出身。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成年代指導のノウハウを学ぶためにドイツへ。 現地で2009年7月にドイツサッカー連盟公認A級ライセンスを取得(UEFA-Aレベル)。 SCフライブルクU-15チームでの研修を経て、元ブンデスリーガクラブのフライブルガーFCでU-16監督、翌年にはU-16・U-18総監督を務める。2013-14シーズンはドイツU-19の3部リーグに所属するFCアウゲンでヘッドコーチ、2016-17シーズンから同チームのU-15で指揮をとる。
【書籍あらすじ】
長く世界トップの実力を誇ったドイツは、2000年の欧州選手権に惨敗。ただ数年前から低迷を続けており、その兆候はあったが、ずっと見て見ぬ振りをしていた。そこで、ドイツサッカー協会は低迷の理由を徹底的に分析し、育成年代の強化と改革に乗り出した。近隣国に勉強へ行き、育成プロジェクトを立ち上げた。以降、そのコンセプトを国全体が共有し、新たに年代別のトレーニングの指針を示した。さらにブンデスリーガの各チームに育成機関を義務化し、エリートシューレ(育成システム)を設置、シュツットプンクトの整備、グラスルーツからの指導者育成など……こうした成果が15年の歳月を経て、2014年のワールドカップ優勝につながった。こうしたドイツの成功事例は、日本の育成年代の指導者たちに参考になるはずだ。
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