「ミスを減らす」より「勇敢に仕掛ける」ことを心がけよう!! ドイツ育成メソッドに学ぶ「年代別トレーニング」【小学3・4年生編】

2016年07月21日

サッカー練習メニュー

【小学3・4年生編】15秒ボールキープ


ピッチ (8m×8m)×4つ 
人数:16人 
ゴール:なし


■試合で使える想定エリア
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■メニュー説明
各エリアで3対1

<ルール1>
15秒間ボールキープに成功したらDFが隣へ

<ルール2>
15秒以内にDFがカット、またパスミスしたら、失敗した子が隣のDFになる。DF役の選手は同じエリアで攻撃側へ

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■トレーニングで強調したい要素
【A ボールのもらい方】
立ち止まったままパスが来るのを待つだけだと、相手の出足が早ければその前でカットされる。パスに対して数歩でもボールを向かいに行き、鋭く踏み込んでみたり、ターンするフェイントを行って相手をけん制できれば、うまくマイボールにすることができる。そのような駆け引きを少しずつ身につけよう。

【B ボールを止めて運ぶ】
ボールを足元に止めてしまうと、敵が鋭く奪いに来たときに交わし切れないことがある。パスを受けるときには、相手が取りに来られないところにボールを運んですぐパスを回すか、相手を左右に動かすような位置にボールを置いてから反対に持ち直して交わすというように、ボールを運ぶ位置に気を配れるようになりたい。

【C 戦術(ポジショニング)】
常に同じところでパスを呼び込んでいると、敵の追い込みがうまくハマってしまったときにパスの出口を見つけられなくなる。そこで、少し余裕があるときには1歩でも2歩でも前に出ておくと、パスをもらうときにそのままバックステップで相手との距離が取れて、パスコースを作ることができる。

【D 戦術(オフ・ザ・ボール)】
パスを出した選手が安心したり、ボーッとしたりして立ち止まってしまうことがよくあるが、その瞬間にはパスコースが一つ消えてしまう。パスを出した選手は、そのパスを受ける選手の最初のパスコースを作るのがサッカーを一緒にプレーする味方選手への礼儀だ。

■指導する時に注意すべきこと
一回一回中断して修正をするのではなく、ある程度の時間続けて練習した後で長めの休憩をとり、どんな点に気を付けた方がいいかを簡単に説明する。言葉での説明よりも、実際のプレー時間が長い方が確実に選手にとっては身につくものが多い。少しダレたときはミスパスをしたら「腕立て3回」くらいの軽い罰ゲームを入れる方法も考えよう

デザインポイント1


■トレーニングに盛り込むべき5大要素
トレーニングにはサッカー選手に必要な基本5大要素(技術・戦術・フィジカル・メンタル・思考力)が包括されなければならない。ただし、それぞれの練習メニューにより強調ポイントがあり、そこに焦点をしぼる。

【技術】
「マイボールを大事にする」ためには、それぞれの技術レベルが上がらないと難しい。ミスが多いときは単純なパス練習なども入れたほうがいいが、それだけにならないように配慮したい。いろいろな形で技術を使う機会があった方が試合に生きる技術力が向上する。

【メンタル】(緊張感の中での冷静さ)
「ミスをしてはいけない」という緊張感の中で冷静にやるべきプレーができるかどうかが大事だ。プレッシャーは人間の判断力を鈍らせる。「こんなプレーもできるかもしれない」というほんの少しの遊び心(余裕)があった方がリラックスできるはず。度は越さない程度に、プレーしよう。

【戦術】(トライアングル)
「三角形を作れ」。よく聞かれる言葉だが、三角形を作ることが目的ではない。ボールを持っている選手と他の味方選手が同時視野にいて、相手の選手がすぐに奪いに来られない距離でのポジショニングをお互いが取る。その結果が三角形だという意味で、その三角形の形もさまざまあることを覚えておこう。


デザインポイント2


■小学校3・4年生で習得すべき要素

【技術的要素】
・ドリブル
・フェイント
・パス
・シュート
・ボールを止めて運ぶ

【戦術的要素】
・1対1の攻撃
・1対1の守備
・2対2の基本

【フィジカル的要素】
・スピード
・コーディネーション


ドイツ年代別メソッド
【商品名】
世界王者ドイツの育成メソッドに学ぶ
サッカー年代別トレーニングの教科書

【発行】
株式会社カンゼン


【著者】
中野吉之伴(ドイツサッカー連盟公認A級ライセンス保持者)
1977年7月27日生まれ。秋田県出身。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成年代指導のノウハウを学ぶためにドイツへ。 現地で2009年7月にドイツサッカー連盟公認A級ライセンスを取得(UEFA-Aレベル)。 SCフライブルクU-15チームでの研修を経て、元ブンデスリーガクラブのフライブルガーFCでU-16監督、翌年にはU-16・U-18総監督を務める。2013-14シーズンはドイツU-19の3部リーグに所属するFCアウゲンでヘッドコーチ、2016-17シーズンから同チームのU-15で指揮をとる。

【書籍あらすじ】
長く世界トップの実力を誇ったドイツは、2000年の欧州選手権に惨敗。ただ数年前から低迷を続けており、その兆候はあったが、ずっと見て見ぬ振りをしていた。そこで、ドイツサッカー協会は低迷の理由を徹底的に分析し、育成年代の強化と改革に乗り出した。近隣国に勉強へ行き、育成プロジェクトを立ち上げた。以降、そのコンセプトを国全体が共有し、新たに年代別のトレーニングの指針を示した。さらにブンデスリーガの各チームに育成機関を義務化し、エリートシューレ(育成システム)を設置、シュツットプンクトの整備、グラスルーツからの指導者育成など……こうした成果が15年の歳月を経て、2014年のワールドカップ優勝につながった。こうしたドイツの成功事例は、日本の育成年代の指導者たちに参考になるはずだ。


<関連リンク>
ジュニア世代は成功体験を! ドイツ育成メソッドに学ぶ「年代別トレーニング」【幼稚園児編】
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