熟考したいジュニア年代のピッチサイズ。子どもたちにとって適切な大きさは?

2016年11月09日

コラム

『横幅2m』縮まるだけでできなくなること

――現在の全日本少年フットサル大会は横幅16mで実施されています。横幅わずか2mの違いではそれほど大差はないように思えてしまうのですが…。

 実はその2mが非常に大きいのです。正規の(FIFA主催国際試合の)フットサルコートのサイズは、縦40m×横20m。縦の半分が横幅ということになっていますね。つまり単純に縮尺でいえば、縦32m×横16mというのは間違いではありません。ただ、横幅を縮めるということは、圧倒的に“ディフェンス優位”のピッチになってしまうことを示しています

――ディフェンスが優位というのは、具体的にはどういうことですか?

 具体的な例を挙げると攻撃側のビルドアップ時に、横幅を使いながらボールを前進させようとします。こういった場面で横幅が2m縮まるということは、ディフェンダーがプレスを掛けに行く際の移動距離が縮まる、プレスがかかりやすい、ということなのです。

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オレンジ⑤がコントロールオリエンタード(方向づけたトラップ)でカットインし、2つの選択肢『ライン間にいるオレンジ④への前進パス』と『逆サイドにいるオレンジ③への横幅活用サイドチェンジパス』を持った場合においても、横幅が狭いピッチであれば、グリーンチームの1列目のDFラインの第2DFグリーン③はライン間への前進パスをカット出来る可能性も高まり、且つ、横幅活用サイドチェンジパスに対してもインターセプトやトラップした瞬間でのボール奪取を実行できる可能性も高まる。

 つまり、横幅が狭いピッチではディフェンダーにとって負荷が低い状態に。逆に攻撃側にとってボールをつないで前進させることは難易度が高くなり、自陣ゴール前でボールを失えば直接失点につながってしまうハイリスクな状態になります。

【コントロールオリエンタード(方向づけのトラップ)によるカットイン】

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