ボールが完全に静止していなければ、それはミス。風間八宏監督が語る「止める」の定義
2017年05月08日
コラムボールの『オフスイッチ』を足の一点で触ればいい
多くの選手はボールを面でとらえようとし、さらにボールの中心を触ろうとする。しかしそうなると、速いボールに対しては足を引く動作が必要だ。
自分が静止しているなら問題ないが、動きながら足を引くのは無理がある。また、自分の体より手前でタッチする場合に面の角度が変わるので、ボールの下にタッチして浮かせてしまう、シューズのソールに当ててしまうという失敗が起こりやすい。一方、ボールのオフスイッチを触るだけなら体の下でも前でも扱えるし、動きながらでもできる。
「ズレたときの修正もしやすい。ズレたなと思ったら、指に引っかかるので調整がしやすいんです。面で扱うのは安心感がありますが、結局は面といっても面の中の点に当てているわけで、面という意識では点がわからないままになります。面で止めようとして面を逃したら修正は利きません」
これはわかりにくい話かもしれない。風間さんはボールのオフスイッチを足の「点」で触れと言う。風間さんの場合は「親指の下の出っ張っているところ」だが、実は触る部分はどこでもいい。オフスイッチに足の一点で触ればいいだけだ。
例えば、小さなボタンを押す時に手の平で押せばどこかに当たってスイッチは押せる。けれども我々は日常的に指でボタンを押している。多くは人差し指だろう。そこが風間さんの言う「親指の下の出っ張り」になる。
そして、その「出っ張り」でないところにボールが当たってしまった場合、例えば親指にボールが当たってしまったとすると、それは指の感覚で調整ができるというわけだ。面だと、その調整が難しい。面といっても真っ直ぐでなく湾曲している。アーチのどこかには当たるだろうが、当て方を間違えたときに修正はほぼ無理で、そもそも点に触る感覚がなければ間違いも起きやすい。点を面で捉えるよりも、点を点で抑えるほうが、難しくみえて実は確実だというのが風間さんの理屈である。
「私が見本を見せて、じゃあやってみようとなっても、なかなか出来ませんね。出来ないから練習するわけで。上手くいかないのは、どこに触ればいいのかわからないのが1つ。ボールの上に触っているつもりで下にタッチしてしまう。当然、ボールは浮きますよね。
あと多いのが叩いてしまうパターン。これがすごく多い。触るだけでいいのに叩いてしまうので、上には触れているのだけどボールを叩きつけて結局浮いてしまう」
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