そこに自由さはあるか? 『センス』を磨ける環境と『泥くさい』プレーの重要性

2017年05月29日

コラム

誰もがバルセロナのリオネル・メッシみたいに『センス』のある選手に一度は憧れるものです。「メッシのように華麗に相手をかわしてみたい」と思っている人は少なくないでしょう。では、どのような環境で『センス』は磨かれるものなのでしょうか。また、誰にでもそういった『センス』が備わっているわけではありません。であるならば、『センス』がない選手はどうすればいいのでしょうか。チームのために『泥くさく』プレーするしかありません。『センス』と『泥くささ』、どちらもサッカーにおいては重要な要素です。今回は、ジュニアサッカーを応援しよう! WEBサイトにて、以前連載し書籍化された池上正さんの『池上さんのことば辞典』から、『センス』と『泥くさい』という言葉の紹介をします。

監修/池上正 編/島沢優子 


<池上さんのことば辞典>

ンス

【名詞】 類義)好感覚 気の利いたプレー 創造力

守備の裏をつく、あるいは相手をだ
ます。鋭い駆け引きができる感覚。
その子自身のサッカーを面白がる感
覚や余裕から生まれるものでもある。
もともと持っている才能ではあるが、
サッカーをする環境に「自由さ」が
あるかどうかでも左右される。指示
命令が多い中では磨かれない。

■池上さん解説■
センスを磨くための必要条件とは

 「あの子、良いもの、持ってるね」
 「あの選手は気の利いたプレーをするね」

 私たちがこのように表現する選手には、センスがあるということです。センスとは、例えば、パスをする際にちょっとだけ右を見ながら、すっと左に出す。そのように、相手を欺く、相手やプレーを見ている人たちまで騙されてしまうようなプレーができることです。このようなプレーは、教えられてできるものではありません。

 「センスを磨くためにはどうしたらいいですか?」

 そんな質問を、コーチや選手からよくされます。私は「本当の自由さを、子どもが身につけているかどうか」を第一条件に挙げます。ヒールキックをした選手に対し、いまだに「もっときちんとプレーしろ」と言って叱るコーチがいます。そこに「自由さ」はあるのでしょうか?

 例えば、これからインサイドキック、次はインステップ、というような練習の仕方では選手の自由は奪われてしまいます。あまり効果的ではないと思われます。

 得意なキックは、人それぞれ異なります。例えば、私はインサイドよりもアウトで蹴るほうが、正確に蹴れます。精度の高いほう、選手の独自の感覚で蹴ったほうが良い場合もあります。それに、なるべくたくさんの種類のキックを蹴れたほうが、プレーの幅は広がります。

 「そこに自由さはあるか?」

 コーチも、保護者の方も、あらゆる場面で自らに問いかけてください。
 
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