そこに自由さはあるか? 『センス』を磨ける環境と『泥くさい』プレーの重要性

2017年05月29日

コラム

<池上さんのことば辞典>

くさい

【形容詞】類義)愚直な しつこい

ゴール前に詰めて混戦からのこぼれ
球を押し込むなど、見た目は決して
派手なわけではなく、美しくもない
が、チームに貢献するプレーを形容
する言葉。鮮やかなスルーパスは出
せないけれど、相手の攻撃の芽を摘
むボランチも同様。「泥くさいゴー
ル」「泥くさいプレー」などと言わ
れる。

■池上さん解説■

あなたの子どもは最後まで諦めずに走れる子ですか?

 昨年、プレミアリーグでクラブ創立初の優勝を決めたレスターで活躍した岡崎慎司選手などは、まさしく泥くさいプレーでチームに貢献してくれています。

 もう一人、熊本震災の際に地域に貢献する姿を見せてくれた巻誠一郎選手も同じタイプ。以前ジェフ千葉で同時期に所属していたのでよく知っています。彼が入団する際、彼の両親にオシム監督が「息子さんは最後まで諦めずに走れる子ですか?」と尋ねたそうです。

 また、もっとベテランの選手では、ゴンこと中山雅史選手も同様です。この中山、巻、岡崎ともに、常にサボらず動いている、体の接触を嫌がらないという二点が共通しています。

 チャンスを嗅ぎ分けているからこぼれ球を押し込めるのですが、どんな場面でもそのプレーを予測し、関わろうとしているからこそチャンスに絡めるわけです。ゴールシーンは何が起きるかわかりません。対応するには、「そこにいる」ことが何よりも重要です。そのために彼らは労を惜しまず動き、最後まで諦めずに走るメンタルを持っています。なおかつ相手と衝突する可能性があっても、そこに飛び込んでいく勇気も持ち合わせています。

 いわゆる「ごっつあんゴール」は、日本ではあまり良いイメージが持たれないようですが、欧州など海外では「よくぞそのポジションにいた!」と、一つの能力、努力として称えられます。

 一度パスに合わせようとして飛び込んでみるものの、二度ほどやってパスが来なければ次からやらなくなる子どもがいます。最近はプロの選手でも、何度も飛び込むといった粘り強さがなくなったように感じます。せっかく岡崎選手のような良いお手本がいるのですから、子どもたちにはぜひ真似をしてほしいと思います。


池上さんのことば辞典
【商品名】サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典
【監修】池上正
【著者】島沢優子
A5判/240ページ
⇒家庭、指導現場で実践。どうしたら伸びる? 悩んだら、この辞典を開け!
【目次】
第1章 力を引き出す、引き出さない「問いかけ・声がけ」
第2章 とらえ直したい「サッカーまわりのことば」
第3章 本質を伝える「サッカー用語」

【本書で収録されている言葉】
わかった?/質問ありますか?/どうですか?/
楽しかった?/それで満足なの?/面白いね/
このままでいい?/好きなようにやってごらん/
あわてないでやってごらん/友達にきいてみたら?/
いい質問だね/問題ないよ/次は気をつけてみよう/
楽しくないね?/やってみたら?/大丈夫ですか?/
ほかのやり方はないのかな?/自分だけ楽しければいいの?/
どんな感じ?/どうすればうまくいく?/
どうしてできないの?/選ぶのは君だよ/
コーチが決めて/勝ちたくないの?/助けてあげたら?/
ボール見ろ!/切り替えろ/何回外してるの?/
首振って! /ボールがもらえますか?/ゴールは見た?/
何を見ましたか?/つないでいこう/広いほうに/
ライン上げろ/教えない/教える/認める/
厳しくする/指導力/ドーパミン/
モチベーションアップ/バーンアウト/ご褒美理論/
セレクション/プレーヤーズファースト/
オープンマインド/インテリジェンス/
オーバーコーチング/負けず嫌い/勝利至上主義/
五感/親の役割/テレビ観戦/縦割り/
キャプテン/リーグ戦/習い事/優先順位/
メンバー決め/センス/泥くさい/
理不尽/伸びる条件/自立/主役

……etc


 

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