サッカーは技術と戦術がセット。ジュニア世代から身につけておきたい『パスを受けるための周囲の見方』とは
2017年06月12日
コラム選手は答えを知らないからイメージを作ってあげる!
パスを受けるために周囲を確認しておく内容は、ポジションや状況によって異なります。収集した情報の中で判断を下すのもチーム全体、またグループとしての戦い方、つまり戦術的要素も判断に加わってくるので、小学生から戦術的な視点を持たせる話は選手にすべきです。
いまは便利な時代だから、たくさん映像を見せながらイメージとして伝えたらいいと思います。サッカーは技術と戦術がセットなんですから。
より高いレベルであれば高い技術が必要になるし、楽しくプレーする上でも止める・ 蹴る・運ぶという技術は最低限習得しなければなりません。サッカーは点を取るか取られるかのスポーツだからボールのあるなしは大きな要素を占める。ボールを失っては試合になりません。
どんな状況でもボールを止めてキープするのがうまいのは、浦和レッズのFW興梠慎三です。ボールを受けるスペースを見つける目、ファーストタッチの置き所、次のプレーに移る判断の高さと速さは 群を抜いています。
【浦和レッズFW興梠慎三選手は、屈強なフィジカルを持っているわけではないがボールをもらうタイミングとファーストタッチが巧みで簡単にボールを奪われることが少ない】
いずれにしろ、ボールを足元にピタリと止める技術がなければ、次のプレーには進めません。最近のサッカー教室では、徹底的に止めて蹴る練習をやらせています。
サッカーは、シビアな局面で高い技術と戦術眼を発揮するほどチャンスが生まれる。ただ、それはトライしなければ身につけられません。強いボールを止めることも、狭い局面の中でボールを受けるスペースを見つけることも、受けた後に素早く次のプレーに移るビジョンを持つことも多くの失敗を重ねてできるようになるのです。これは横パスやバックパスでは学べません。
周りを見てボールを受けるプレーはもう一つの見方ができます。それは直接ボールを受ける選手の目線ではなく、周囲の味方の目線です。
具体的には、敵を引き連れてボールを受けるスペースを空ける動きをすることです。日本代表ではMF長谷部誠、DF長友佑都は相手守備の目線を外すため、おとりになる動きをやっています。
ほかにも、あえて動かないという選択肢もあります。ポジションによっては動くことで味方のスペースを潰してしまう場合もあります。
たとえば、DFラインからのビルドアップでサイドハーフや前線の選手が下がってきたり、中央に絞りすぎたりするとパスを受けるスペースがなくなってしまいます。動かずに相手の守備を自分に引きつけ、味方にプレースペースを作ることも時に大切です。
ボールを受けるプレーは、直接受ける選手とそれをサポートする選手たちが両方とも『周りを見て、どちらもプレーにかかわる』能力を養わなければなりません。
そのためには、さまざまなポジションを経験することも大事です。指導者は何のために周囲を見るのかを、映像や図解でしっかりと教えてあげましょう。
<関連リンク>
・ジュニアサッカーを応援しよう! VOL.43
<プロフィール>
岩本 輝雄
(いわもと てるお)
1972年生まれ。神奈川県出身。ベルマーレ平塚、ベガルタ仙台、名古屋グランパスエイトなどでプレーした技巧派MF。ファルカン体制の日本代表では10番を背負い、現役時代は天皇杯優勝なども果たす。2006年には海外のオークランド・シティFCでFIFAクラブワールドカップに出場。同年に引退した。現在はサッカー解説者、指導者として活躍する。
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