子どもが自分の進路を決めるとき。親のサポート法「何も言わず、心の中で応援するのが一番」
2017年06月23日
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子どもたちが非行に走る一番の原因は“スポーツ崩れ”
――海外に留学する場合、親にとっても経済的な負担になります。はじめから失敗を想定して送り出す親はいないでしょうが、やはりリスクもありますね。
実は、子どもたちが非行に走る一番の近道の一つが、“スポーツ崩れ”だと言われています。「とにかくお前はサッカーさえしていればいい」「野球だけしていればいい」と言われて、勉強も何もしないでそのスポーツだけをやってきた。そのままある程度まで年齢を重ねたところで挫折した子が一番手に負えないそうです。ですから、親はもちろん、サッカーならコーチもいるでしょう。周りの人ときちんと相談しながら本当に送り出していいのかをきちんと見極めなければいけません。
ただし、海外に行って語学をマスターすれば、サッカー選手にはなれなくても、それにまつわる仕事に就けるというケースはあるでしょう。サッカー選手としては大成できなくても、それなりのものをつかんで帰ってくることはできるはずです。だかこそ、そこにいたるまでにどう育てるか。 しっかりと育っていれば、たとえ海外で挫折したとしても、人生においては悪い結果にはならないと思うのです。
――子どもが落ち込んでいるときは、親としてどんな言葉をかけてあげればいいですか?
がっかりしているのは本人なので、子ども以上にがっかりしないことです。自分よりも親のほうががっかりしていると、子どもは立場がないですよ。大事なのは、子どもの気持ちを受け止めてあげること。その上で、「それだけであなたの人生は決まらないよ」「もっと違う道もあるよ」ということを教えてあげてください。合格も不合格も、人生においては一つの経験でしかないわけですから。
子どもにとって、お父さん、お母さんが喜んでくれるのは、何物にも代え難い喜びです。だからお父さん、お母さんは、子どもよりも喜びすぎない、落ち込みすぎない。そのことを常に心に置いて、とにかく子どもが頑張っている姿を見に行くこと、一緒にいること、よその子と比較しないこと、そして子どもの活躍を喜ぶこと。ただひたすら、それが大切なのだろうと思います。
<プロフィール>
菅原 裕子(すがはら・ゆうこ)
NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事。有限会社ワイズコミュニケーション代表取締役。1977年より人材開発コンサルタントとして、企業の人材育成の仕事に携わる。従来の「教え込む」研修とは違ったインタラクティブな研修を実施。参加者のやる気を引き出し、それを行動に結びつけることで、社員と企業双方の成長に貢献。1995年、企業の人育てと自分自身の子育てという2つの「能力開発」の現場での体験をもとに、子どもが自分らしく生きることを援助したい大人のためのプログラム “ハートフルコミュニケーション”を開発。各地の学校やPTA、地方自治体主催の講演会やワークショップでこのプログラムを実施し、好評を得る。
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