将棋を深めればサッカーもうまくなる!? サッカー少年・少女に知ってほしい将棋の文化

2017年07月11日

コラム

史上最年少でプロ棋士となり、公式戦29連勝という新記録達成した藤井聡太四段(14歳)。彼の活躍により、ここ最近、将棋に大きな注目が集まっています。将棋とサッカーには多くの共通点がある!? そう語るのは、著書に『将棋でサッカーが面白くなる本』などがあるライターのいしかわごうさん。サッカーと将棋に詳しいいしかわさんに、将棋とサッカーの類似性やサッカー上達にもいかせるかもしれない将棋の文化を教えていただきました。

(文●いしかわごう)


サッカーと将棋の類似性

将棋イメージ

「サッカーと将棋は似ている」

 こんなことを言い出すと、「えっ?」と驚く人も多いかもしれません。無理もありません。サッカーは約105m×約68mという広大なピッチで選手が複雑に動き回っている”動”のアウトドアのゲームで、将棋は約36cm×約33cmの将棋盤で駒が整然と並んでいる”静”のインドアゲーム。両者を比べてみた場合、まったく違うものだと思う人がほとんどでしょう。

 そこでサッカーのフィールド全体を将棋盤に見立ててみてください。
 
 フィールドが将棋盤ならば、その上でプレーする選手は、将棋の駒です。11人の選手にプレースタイルやポジションによって特徴があるように、将棋で配置された8種類の駒にもそれぞれ個性があります。代表的な駒の例を挙げると、盤上の両端に配置されて、縦にグイグイと突き進んでいく『香車』の動きは、サッカーのサイドバックの上下動とよく似ています。

 味方とのコンビネーション、つまり連動性が大事なところも同じです。どんなに優れたサッカー選手でも、たった1人で11人を相手にサッカーをすることはできません。将棋も同じで、どの駒を攻めに使い、どの駒を守りに使うのか。駒の持ち味を生かしながら、いかに攻守一体となって相手の王将(ゴール)に向かっていくのか。この辺の駆け引きが将棋の醍醐味とも言えます。

 両者は戦略性も似ています。

 サッカーの目的がゴールを奪うことであるように、将棋の目的は、相手の王将を相手より早く『詰み(動けない 状態)』にすることです。そのため、最初は相手の駒がぶつかる前に玉を囲って自陣の陣形を整えたり、相手の陣地を攻略するために攻撃の体勢を組み立てたりすることに力を注ぎます。サッカーで例えると、フォーメーションですね。もちろん、相手の陣形を見てこちらの形を変えることもありますし、守り方の考えもサッカーと将棋は似ています。

 例えば将棋の守り方には「玉の守りは金銀三枚」という有名な格言があります。

 矢倉囲い、舟囲い、美濃囲いなど、有名な囲いが金と銀の4枚のうち3枚で構成されるからです。3人で守るということはサッカーで例えれば3バックと言えますが、金銀4枚による4バックで、サイドバックが攻撃参加した際に、もう一方のサイドバックが守備に残っておくリスク管理の考えにも似ているかもしれません。

 実際、将棋にはサッカーそのものの守り方を連想させるような守りも多く、5バックのようにスペースを埋めて堅く守る『穴熊囲い』、ゾーンディフェンスのように人とスペースを使って対応するような『中住まい囲い』などがそうです。

 少しずつ共通点が感じられてきたのではないでしょうか。

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